響き税理士法人

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「所得拡大促進税制」を使える会社とは?

14.08.04 | 【税務】

デフレ経済脱却と経済再生の実現に向けて「所得拡大促進税制」が拡充されました。
従業員に対する給与等支給額が、基準年度よりも一定割合以上増加するなどした場合に、増加額の10%の税額控除を適用できますが、この増加割合が緩和され、実際に使える会社が増えています。

◆所得拡大促進税制の適用要件緩和

所得拡大促進税制は従業員に対する「雇用者給与等支給額」が、基準年度(平成24事業年度)よりも5%以上増加するなどした場合に、増加額の10%の税額控除を適用できるものですが、この増加割合について、平成25年度および平成26年度は2%、平成27年度は3%に緩和されたことから、今まで現実的でなかったこの制度も、実際に適用を受ける法人が増えています。

このほか、平均給与等支給額が「継続雇用者に対する給与等」と改正され、高齢者退職や若年者採用による平均給与減少といった影響が排除されています。

また、旧規定の適用が無く、新規定の要件を満たす経過年度がある場合には、経過年度を新規定の適用年度とみなした場合の増加額の10%が限度額に上乗せされます。


◆措置法通達の整備

6月27日に公表された改正措置法通達では、次の3つが新設されて具体的な取り扱いが明確になり、より使いやすい制度となっています。


①    給与等の範囲

「給与等」とは、原則として給与所得として課税対象となるものが該当しますが、例えば、労働基準法第108条に規定する賃金台帳記載の支給額のみを対象とするなどの合理的な方法により継続して給与等支給額を計算していれば、その計算方法は認容され、賃金台帳記載の「給与等支給額」には、非課税とされる通勤手当等を含めてよいことが明らかにされました。


②    資産の取得価額に算入された給与等

「給与等の支給額」は、損金の額に算入されるものが対象になりますが、例えば、自己の製造等に係る棚卸資産やソフトエウェアの取得価額に算入された給与等について、継続適用を要件に支給日基準で計算することを認めています。


③    継続雇用制度対象者の判定

高年齢者継続雇用制度対象者の給与等は平均給与等支給額から除いて計算しますが、同一者に対して継続雇用前の給与等と継続雇用後の給与等を同一の日に合計して支給している場合には、継続適用を要件に、その合計額を継続雇用制度対象者に支給した給与等として平均給与等支給額から除いて計算することを認めています。


キリサワ税理士法人 情報発信委員会

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