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相手を意識しないと正しいコミュニケーションはとれない!?

19.11.17 | 所長メルマガ

ビジネスでは報連相が大事だと言われます。しかし、新人が張り切って報告をあげても、上司から「小さなことをいちいち報告するな」と怒られたりする。また、大事なことだからしっかり調べてから報告すると、「なんでもっと早く報告しないのか」と指摘される。社員の意見や積極的な提案を期待して社長がメール等で呼びかけると予想以上に反響が多く最初は喜んだが、滅多に役立つものが無く、見るのに時間が掛かるので部下の管理職が先に読んで、良いものだけを選んで報告せることにしたとの話もある。一般に報連相の基準が定まっている会社は滅多にない。各人が自分の良いと思う基準で行うからズレることがある。

   新人は報連相の徹底を上から言われることが多い。そうすると取りあえず報連相を行っていれば良しと考える者もいる。つまり報連相を行うことが大事となり、何のために報連相が必要なのか考えることがなくなってしまう。これでは手段が目的となっていて、上司を苛立たせる。部下は上司へ伝えたことで役目果たしたつもりだが、上司にとっては自分の本来の仕事に直接関係ない情報等は必要ないものである。現場で間違い無く処理できるものは自分で解決してもらいたい。ルーチンは日報等で十分だろう。
『伝わるしくみ』(山本高史著 マガジンハウス)の最初の章に コミュニケーションとは究極的に「提案」であると述べてあった。相手がいて独り言でなければ会話は、意識していなくても何らかの提案に変換できる。そして、相手はそれに対し 無視・拒絶・受け容れの 大きく三つの対応が可能となる。無視や拒絶は避けたいので、なるべく相手が受け容れ(同意)やすいような言葉を選びコミュニケーションを行う。相手の頭の中にあることを想像して言葉を発する。自分中心で考える人はコミュニケーションが取りにくい、会話が続かない。つまり、コミュニケーションが下手な人である。
 報連相では上司の判断、指示、支援、指導、管理、責任等に必要な情報等を優先させる必要がある。上司の関心の低いことは特に報連相しなくても良い。文書による報告もビジネスでは簡潔であるべきだ。質問で「オープン・クエスチョン」と「クローズ・クエスチョン」の区別を聞いたことがあるだろう。簡単に言えば、はい・いいえで答えられる質問と、回答者が自由に答えることの出来る質問のことだ。報告書等も書き方のルール決めが曖昧だと、沢山書いた方が評価が高くなると勘違いする者もいる。だから、こちらが知りたい重要なものから簡潔に書ける書式にすべきです。チェックや選択など形式で最小限の記載で済むようにしたい。自由な記載は少しで良い。書かされる方も本当はあまり時間を取りたくないものだからです。最近はインターネットのクラウドツールで、これら管理報告書等を作成するのが少しずつ広がってきているようです。スマホ等で業務が終わる都度記載(入力)出来るからです。
 会社で上下関係なく意見を自由に言って良いのは、共通する価値観があり、全社的に取り組む課題についてです。知識や経験、責任の対象と程度が異なるならば平等とはいきません。だから、上のものが多少強制的に必用な情報等を収集できる仕組みにすべきです。
 まとめ コミュニケーションは伝える相手を意識しないと正確に伝わらない。相手の知識や経験の有無・程度はもちろん、思考パターンや気質性格、好みなど考慮に入れなければならない。しかし、新人や部下にそれを求めるのは難しいので、職場でルールやフォーマットを工夫し、必用な情報等が簡潔に伝わる仕組みにするのが望ましい。一度決めるだけで質や効率が大きく違ってくるものです。

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