日高税務会計事務所

非常時の管理体制やリーダーシップは平時と異なるべき!

20.04.20 | 所長メルマガ

新型コロナ関連のニュースが続いています。日頃、安部政権に好意的な方であっても、コロナ対策に当たっての安部総理のリーダーシップに批判的な声も上がってきています。緊急時非常時のトップのあり方が組織全体に大きく影響するものです。

神戸震災の時、確か村山政権だったと思いますが、テレビの中継で多くの人が被害を心配しているのにかかわらず、速やかに自衛隊の派遣等が成されなかった。理由は、災害時に地方自治の長から要請がないと国は独自で動けない決まりになっていたからだそうです。その後は幾らか改善されたようです。 外国の戦争映画などで上部の応援部隊が駆けつけると、指揮は応援部隊の長が取ることになります。状況が好転し現地の部隊で対応出来るようになったら、指揮権を戻し去っていきます。軍隊では昔からそうです。日米安保で共同で戦う事態では自衛隊は米軍の指揮下に入るはずです。非常時緊急時は積極介入が原則です。よく人財育成の観点から、多少不安がある人に上のポジションの管理を任せることがあります。若手にチャンスを与え成長を促す効果が大きいと思います。その場合の悪い対応は、大きな問題が発生したり状況が悪化した時に、仕事を任せたのだからしばらく様子を見ようとして放置することです。ひどい場合、権限を与えたからには責任はそちらで持てです。責任は本当に責任を取れる人が負うべきです。権限は責任者から委譲されたものです。だから、責任を負えない状況になったり成りそうな場合は権限を上位者が取り上げるべきです。特に金銭が絡む問題では、お金を動かせる立場にないものが いくら頭を下げ謝罪したとしても解決に至りません。
 緊急時非常時の対応で重要なことは、スピードです。役所仕事など組織が大きく成ると、前例を調べたり公平性を考えたりしてより完璧なことを求めます。その結果、対応に時間が掛かります。裁判など特にそうです。平時ではクレームが最小となる対応が良いとされます。緊急時非常時は、状況が刻々として変化し悪化する場合があります。完璧を求めては成りません。その時点で出来る最良と思われるもので対処すれば良い。間違いは後で修正すれば良いのです。以前、うちの事務所で車の追突事故を起こした職員がいました。状況は大したこと無いと判断し後の予定を終わらせ、後日被害者にお見舞いに行きました。その後、保険で対応出来ましたが結構な治療費が請求されました(事故の後遺症なのか前からの持病によるものかの区別が付かないため)。もし、事故当日は後の予定をキャンセルし病院まで付き添ったり、間を開けずにお見舞いに行ったしていれば状況が変わっていたかも知れません。
 ところで、仕事のスピードと完璧性についてですが、次の3人の新人のうち誰が有望でしょうか?
A君:仕事はスピードが大切。頼まれごとや言われたことはすぐに実行する。事前の準備や調査が不十分のため失敗も多い。行動派。
B君:ミスを起こさないことが大切。そのため少し遅くなっても仕方ないと考える。事前準備や調査に時間をかける。慎重派。
C君:スピード×品質 が大きくなるが大切。行動する前に準備し調べるが自分の手に負えなければ経験者等の助けを求める。成果重視派。
 非常時緊急時には「損切り」の考えも必要で、和の心や多数決から外れた強いリーダーシップも必要です。批判があっても気にせず行動すること。一定の成果が上がれば批判は次第に収まるものです。

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