強みを活かすために人の専門性を整理しよう~『スキルマップ』
20.04.08 | 働き方改革
人の強みは 特性 + 専門性 で評価できます。
専門性とは従業員が身につけてきた知識や技術です。
しかし、従業員の数が増えてくると誰がどんな専門性を有しているかが分かりにくくなります。
そんなときに活用したいのがスキルマップです。
スキルマップを導入することによって、自社に足りていないスキルが明確になると共に、計画的な人事異動や、各従業員に合わせた教育も行えるようになります。
そこで今回は、人材管理には必須ともいえる、スキルマップを導入するメリットや作り方などを紹介します。
スキルマップの作成方法とは?
経営者の悩みの一つに、
最適な人員配置があると思います。
人員が足りていない部署に他部署から人員を送り込むのは簡単ですが、
その部署や仕事に適した能力を持っていないといけません。
また、企業全体の成長を考えた場合に、
どのようなスキルを持った従業員が必要なのかを知っておくのも経営者の仕事といえるでしょう。
従業員のスキルを伸ばし、最適な仕事を割り振る。
企業の成長にはこのプロセスが欠かせません。
そのために必要なのが、
従業員それぞれの能力を可視化したスキルマップです。
現在、多くの企業が取り入れているスキルマップは、
従業員のスキルを一覧にまとめ、可視化した表のことです。
従業員の得手不得手を洗い出しているため、
企業によっては、技能マップやキャリアマップなどと呼ぶケースもあります。
マップの形状は企業により異なりますが、
基本的には、スキルの軸と従業員名の軸で構成されます。
縦軸に自社の従業員名を、横軸にスキルを並べ、
交わるマス目に、評価を記入していくのが一般的です。
評価は〇でもいいですが、
より細かく分析するのであれば3~5段階で評価するのが好ましいでしょう。
マップ作成の際には、
まず自社の業務において必要なスキルを洗い出します。
厚生労働省では、
スキルマップと同義の『職業能力評価シート』というものをサイト上で公開しています。
たとえば、『外食産業』の『フロアサービス』における『職業能力評価シート』は、
『適切な身だしなみや丁寧な言葉づかいで接客を行っている』や、
『清掃マニュアルに沿った対応を日頃から実践している』
『オーダーを復唱し、内容に誤りがないか確認している』
など、全部で49種類のチェック項目があり、
自己評価と上司評価の欄が設けられています。
この表に沿って、従業員それぞれの各スキルを評価していくことで、
『全体としてどれだけのスキルを持った従業員がいるのか』
『自社に足りないのは、どんなスキルなのか』
がはっきりとするわけです。
このほかにも、さまざまな職業の『職業能力評価シート』が公開されているので、
ぜひ参考にしてみてください。
スキルマップ導入のメリットとは?
スキルマップの導入は、
組織内のスキルの可視化のほかに、
人材育成の計画が立てやすくなるというメリットもあります。
スキルマップによってどのスキルが足りないのか、
今どのくらいのスキルを持っているのかが判明します。
これにより、従業員ごとの達成目標が明確になるため、
人材育成計画を立てやすくなります。
また、従業員個人がスキルマップで自身のスキルを認識することで、
成長意欲の向上にもつながります。
会社から求められているスキルが明確になるため、
個人での目標も立てやすいというメリットもあるでしょう。
さらに、スキルマップを社内で共有することによって、
従業員同士の競争心を刺激し、モチベーションのアップを促せるという効果もあります。
人材不足が叫ばれている昨今においては、
新規で優秀な従業員を増やす施策だけでなく、既存社員のスキルを伸ばす施策も必要です。
スキルマップによるスキルの可視化はそのための第一歩といえるでしょう。
ただし、いきなり大量のチェック項目を並べても、
運用するのに多大な労力が必要になってしまいますし、従業員にもプレッシャーがかかってしまいます。
まずは10項目くらいのスキルマップを作成し、
慣れてきたら項目を増やすなどしてゆっくりと浸透させていく必要があります。
また、会社の方針の転換や、業界の動きなどを見ながら、
定期的に項目を見直していくことも必要です。
自社に合ったスキルマップを作成し、
長いスパンで運用してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2020年3月現在の法令・情報等に基づいています。
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