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一流のプロは、準備・テスト・リハーサル等に手を抜かない!

20.05.14 | 所長メルマガ

一流のプロとそれ以下との差は、生まれ持った才能の違いによると思う人が多いでしょう。特にスポーツなどでは体格や運動神経が大事です。しかし、恵まれた素質で頭角を現したとしても、練習嫌いでは長く上位を維持することは出来ません。量・質とも 平均的な選手以上に練習しています。才能と努力が素晴らしい成果を生み出します。

私達は初めてする仕事などでは、先輩の経験者等にやり方を教えて貰うことが多いでしょう。自分で調べる人もいるでしょう。分かったやり方を頭の中でシミュレーションしたり、手順をメモったりします。ごく一部を実際に試したりします。その後、ぶっつけ本番的に行動します。大抵は上手くいきます。小さな失敗等は次回以降の注意点とします。重要な仕事で無ければこれで問題無いでしょう。式典など大事な仕事で有れば、簡単なリハーサルなどするかも知れません。それでもたまに本番でトラブルが発生します。それを上手くかわし乗り切れば、一つの経験として自信が付くことでしょう。
 ところで、個人で最大のイベントの一つは、結婚式および披露宴でしょう。しかし、結婚式や披露宴のリハーサルなどを行ったという話は聞いたことがありません。今回延期になりましたが、オリンピック等のイベントは数年前から準備に掛かり、リハーサルも入念に行われます。トラブルが起こったら対処するのでは無く、事前にトラブルが起こらない、起こりにくい仕組みを準備していくのでしょう。
 プロとしての姿勢は、想定されるトラブルは最小にし、その場で最大のパフォーマンスが出せる環境を準備することでしょう。だから、音楽や演劇等では、公演会場では、観客を入れる前にほぼ本番どおりのリハーサルを行うことは普通です。一流の役者や演奏家が本番を意識して行うので、本番で観客に気づかれるようなボンミスなど起こるわけ有りません。おそらく アドリブが好まれるようなものでも95%位は事前に決まっているでしょう。最終日などが最高のパフォーマンスとなることが多いでしょう。
 ところで、アイデア社長が低迷している業績の挽回をはかり、新商品を全面的に売り出して失敗した話を聞いたことはありませんか。全国的に商品を販売しているメーカーでも、特定の地域のコンビニやスーパーや特約店など試験的に販売を行い、結果をもとに全国販売するか決めたり、販売時期を模索したり、さらなる商品の改良を行ったりしています。資金力がある大手が慎重なのに、資金の乏しい中小企業がイチかバチかで全面的に新商品を展開するのは博打のようでお薦め出来ません。試験的にユーザーの声を聞きながら改良してある程度間違いないと判断出来るようになってからでも遅くないでしょう。たとえ大きな利益のチャンスを失ったとしても、むしろ大きな損失を避けるのが理にかなっています。
 絵画や彫刻の世界でも、大作の制作には習作を行うことが多いようです。部分的なパーツとなる絵を描いたり、彫刻では数分の1の模型を作ったりします。そして、試行錯誤で大作に当たります。一流のプロだから時間をかければ、直接作成しても大作はできると思います。おそらく弟子などの協力により共同作業で短期間で仕上げるわけですから、いわば設計図になるものが示されていれば作業は分担して行えるのも理由の一つでしょう。頭の中ものを公開することで協力者が増えます。アニメ映画などでも監督が重要なシーンの「絵コンテ」で動画作成の指標となる概略の絵を作ったりします。
 頭で覚えたものは、緊急時非常時にはパニックで再現出来ない可能性があるが、体験(体)で覚えたものは、無意識に行動が可能だと言われています。
一流のプロが一流たる理由は、求められる場で最高のパフォーマンスが提供できる覚悟があるからです。

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