日高税務会計事務所

頭を使って(考えながら)仕事をしよう!?

20.09.14 | 所長メルマガ

ウチの社員には、言われなくても行動出来るような優秀な者はいないと言う経営者がいる。独立して自ら事業を起こした創業社長からみると、仕事を信頼して任せられるような社員は滅多にいない。中小零細企業では大抵トップが社内で一番能力が高い。また、社員としても責任を取らされるのは嫌だから、難しいことはいちいち上の指示を仰ぐ。そのままだと、上はいつまでも忙しく、下は簡単な作業しかしない。そこで、社員教育が必要となりやってみるがなかなか上手く行かない。できる優秀な者からみると、理解は遅いし、定着するのに時間が掛かり過ぎる。学校教育のようにカリキュラムを作成し学ばせても、上達の早い遅いの差が個人によって大きい。もっとも、零細企業では決まったトレーニングが用意されていないところが大多数だろう。

ところで、人それぞれ仕事に向き合うレベルが違う。業界や仕事そのものに興味を持って職に就いた者もいれば、生活費を稼ぐ必要から取りあえず雇ってもらえれば何処でも良かったと言う者もいる。また、通勤の便や勤務時間等の条件から選んだ者もいるだろう。前職等の経験を活かしたいと思って応募した者もいるし、全くの未経験の場合もある。そうなると、社員教育等は画一ではいけないことになる。
 私は社員は三つに分類出来ると思う。(A)何もしなくても自然に成長するタイプ (B)言われたことを正しく実行するタイプ (C)サポートがあれば成長できるタイプ です。詳しく見ていきましょう。
 (A)何もしなくても自然に成長するタイプ 
 上位の少数者。目的意識が高く自分から学ぼうとする。質問も積極的。手が掛からない。適切なサポート(助言等)を行うと成長は著しい。会社の理念や方針を正しく理解してもらえれば、経営の伝道師として活躍してくれるかも。経営者が大したレベルでないと気づけば辞める可能性あり。また、将来仕事を覚えたら独立を考えているかも知れない。戦力になるが期待し過ぎないこと。滅多にいないが、いたら大事に育てよう。
 (B)言われたことを正しく実行するタイプ 
 責任を持たされるのを嫌う。予め決まっていないことを自分で判断するのは得意でない。作業(ルーティン)が得意。予定等は計画と言うより管理的。何処の職場でも一定数いる。ファーストフードやファミレスのパートのように、業務をマミュアル化し定期的にトレーニングを行うことで技能の質を上げることが出来る。次の(C)タイプへ移行する者もいるが無理に引き上げようとすると辞める場合も。質より量を求めるほうがよい。ミスが無いことを褒めることも。
 (C)サポートがあれば成長できるタイプ 
(B)よりは向上心がある。一番多いと思われるタイプ。責任の取れる範囲で無理なく色々と挑戦したいと考える。決まっただけの仕事では飽きてくる。細かいマミュアルが無くても、やや具体的な方向性が分かると行動出来る。仕事をゲーム化し他のチーム等と競争させるのも良い。バックヤードに順位やお客様からの感謝のハガキ等の掲示するところもある。

 リーダー(経営者・上司)との関係性も大切。リーダーが (B)タイプは、まず無いだろう。もし(A)タイプだと、「自分は誰にも教えて貰わなく成長できた。大きな失敗や恥も成長につながった。今は丁寧に教育指導しているのにキツいとは何ごとか」などと考えるかも知れない。また、(C)タイプでも(B)の部下に対して、「マニュアルに無いなどゴチャゴチャ言わずにもっと経験を応用して行動しなさい。同じことばかり繰り返して何処が楽しい。もっと上を目指しなさい」と言うかも知れません。 (B)から(C)タイプへの移行はありますが、(B)タイプのままで良いと考える人もいます。あるいは、移行出来ない人もいます。そして、(A)タイプは(B)(C)とは基本的に異なります。(B)タイプから(A)タイプへの移行は特別な成功体験でも無ければあり得ないでしょう。

 仕事をするとき、頭を使って(考えて)いますが、人によって対象やレベルが異なるのです。それが適切かどうかはチェックしなければなりません。その上で成長を支援してください。

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