日高税務会計事務所

「競合相手のいない、すき間をねらえ」とは・・・・・

14.10.14 | 所長メルマガ

「競合相手のいない、すき間をねらえ」。これは中小零細企業の取るべき正しい経営の一つと言われます。また、ランチェスターの法則から、弱者(市場占有率が2番目以下)の戦略としても有効とされます。 しかし、この言葉をそのまま信じ込むのは間違いと思います。大抵、競争相手がいないところは、お客が少なかったり、採算が合わない状態だからです。獲物の少ない不毛の地で狩りをしても収穫は全く期待出来ません。お客様の大勢いるところで事業を展開するのが普通でしょう。ただ、スポーツの初心者がいきなり有名な大会に挑戦せず、小さな競技会など経験を積んで自信を付けてから大きな大会に挑戦するように、ランクを下げ 勝てる地域や分野や商品で事業を始めるのは理にかなっています。当然、本命の場所は競合相手ばかりですが、ここでは地域や分野など絞り込んで核となる部分に集中します。その部分では競合相手の数倍のエネルギーの投入が必要です。そうすると競争に競り勝ち競合相手は少なくなります。 その範囲を徐々に広げていきます。これが本当の「競合相手のいない」ところであり、自分の努力で作り出すのが正しい。最初から競争の少ないところを探すのは、逃げの姿勢であり本気でないと思われます。

次にすき間ですが、初めから儲かるとわかるところなど存在しません。盲点となって他が気づいていないところを真剣に探しましょう。業界の既成概念から外れたところに見つかることが多いでしょう。もしそこで自分より明らかに強い競合相手が参入したなら速やかに撤退します。すき間は、発展の出発点であって、そこに固執しても事業は大きくなりません。一見、誰がやっても儲からないと思われるところも すき間と言えます。自然界でも過酷な環境に適応し進化した生物に私たちは出くわすことがあります。儲けが出にくいところを徹底的に合理化、仕組化し利益を出せるようになれば安定した収益源となります。 そこを足がかりとして多角化も出来ます。最近は異業種とのコラボも話題になりますが、中小零細企業では難しいでしょう。それよりも他の業種の成功事例を自分の業種にアレンジして展開出来ないか工夫してみることをお勧めします。すき間を探すのは自分の努力しかありません。業界誌などの成功事例は遅いですし、歪んだ情報である場合があります。一昔前の流通業界は、米国に視察に行った人たちが日本にまだ無いものを日本で通用するように改良して成功する例が多かったようです。地方で小売りや飲食店を経営している方は、数年に一度ぐらいは、東京・大阪などの話題の店、繁盛店など自分で視察する努力も必要です。競合相手が進出する前に、地場でしっかりとした基盤を作っておくことが大切でしょう。

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