山内経営会計事務所

山内経営会計事務所
  • HOME
  • 働き方改革
  • テレワークで組織の生産性を上げるためにまず取り組むべきこととは。

テレワークで組織の生産性を上げるためにまず取り組むべきこととは。

20.10.04 | 働き方改革


新型コロナウィルス感染症の影響で、テレワークの導入は一気進んでいます。
内閣府の令和2年6月の調査によると、正規雇用者の実に42.2%がテレワークを経験しています。

また新型コロナ感染症の影響により、働く人々の意識も変化しています。

テレワークを経験した人の大部分が、今後もテレワークの継続を希望しているとともに、
ワークライフバランスをより重視するような意識の変化や、
職業選択・副業などの希望に変化が起きていることが、調査から明らかになっています。

このような状況から、
企業も様々な人材を確保していくたためには、
テレワークを完全に排除するという選択は難しくなっていくと考えられます。

しかし、テレワークを継続していくうえで大事になってくるのが、
「組織の生産性」をいかに上げていくか?ということになります。

テレワークはネットワーク構築や設備の購入にコストがかかるため、
「組織の生産性」が上がらなければ、企業としては収益力を維持できなくなります。

テレワークで生産性を上げていくために、なにから取り組むべきかについてお伝えします。

1.テレワーク導入後に組織の生産性は上がっているか?

総務省はテレワークを、
「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。」
としており、

テレワーク導入企業には、
生産性の向上や優秀な人材の確保・離職防止といった効果がある(と考えている)ため、
アベノミクスの成長戦略の1つとして積極的にテレワーク導入を働きかけてきました。

しかし、総務省の2019年調査では、企業のテレワーク導入率は19.1%であったことから、
思ったように浸透していかなかったといえます。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd124210.html
(総務省調査2019図表2-4-2-2)  
               
しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で、テレワークの導入は一気に進み、

内閣府の令和2年6月の調査によると、正規雇用者の実に42.2%がテレワークを経験しています。

テレワークを継続していくうえで大事になってくるのが、
「組織の生産性」をいかに上げていくか?ということになろうかと思います。


Uniposが行った『「テレワーク長期化に伴う組織課題」に関する意識調査』によると、

「チームの生産性はテレワーク開始前と比較してどのように変化したか」という質問に対して、

「とても低くなった」「やや低くなった」と回答した人の割合は合計44.6%となり、
「とても高くなった」「やや高くなった」と回答した合計の7.6%を大きく上回っています。

企業がテレワークを継続し、人々が望んだ働き方を手に入れるためには、
現場で働く人々がテレワークで働きながら、

いかに「組織の生産性」を上げていくかを考え、成果を上げていけるかがカギとなるでしょう。

2.テレワーク導入で組織の生産性を上げていくために必要な取組とは?

テレワーク導入に関する各種調査では、テレワークにおける課題として、

「社内の意思決定の仕方をはじめとするコミュニケーションの問題」
が多く挙げられています。


そこで、生産性を上げるために、

「コミュニケーションを改善するための取り組みをしよう!」
と考えそうなものですが、
その答えは残念ながら、ほとんどの場合間違いです。


これまで同じ空間で長時間一緒に仕事をしてきた人々が、
空間的に分断されたテレワークという新しい働き方で生産性を上げていくためには、
組織の働き方を1から再構築していく力が必要だからです。

組織の働き方を1から再構築する力を養う取組みとして、チームビルディングという方法があります。

チームビルディングについてはこちら

世間で言われているようなチームビルディングは、
チームの一体感を増すような単発的な取組みのことをいう事が多いですが、

私たちの言うチームビルディング(最強のチームビルディング®)とは、

「今いるメンバーで業績(生産性)をあげるチームづくり」を継続的に行っていくことです。


最強のチームビルディング®では、
「人材力」「組織力」「関係力」の3つのポイントを意識しながらチームづくりを進めていきます。


3要素のどのレベルに組織の問題があるのかを把握し、
そのポイントから改善することで、働き方を再構築していくうえでの再現性を高めているのです。

 

「人材力」とは、人と人とは違う、ということを、自分も周囲も理解し、それぞれの強みを活かし合うことを大事にすること。

 

「組織力」とは、そんな多様なメンバーが集まって成果を出すために、共通の目的・目標やルールなどを決めるということ。

 

「関係力」とは、多様なメンバーの強みを活かすコミュニケーションを理解し実践するということ。

現場で働く人々のこれらの3つの力が、
それぞれどれくらいのレベルにあるかを知り、

ボトルネックとなっている力を底上げすることにより、
チーム全体の力を上げていきながら、組織の働き方を再構築していくのです。

3.テレワークで適材適所できていますか?~まずは人の強みの相互理解から

ここであなたに質問です。

あなたは一緒に働くチームのメンバーの強みをしっかり把握できていますか?

チームのメンバーの強みを把握できていなければ、
テレワーク導入後の適材適所はできません。

テレワークで「組織の生産性」を上げることを考えるのなら、
まずは「人材力」の把握から始めましょう。

 

辞書で「適材適所」について調べてみると、

「人の能力・特性などを正しく評価して、ふさわしい地位・仕事につけること。」
とあります。


もう少し普段の現場の仕事に置きかえて言えば、

「人の能力・特性などを正しく評価して、その仕事にふさわしい人が、ふさわしいタイミングで仕事をすること。」
ということになるでしょう。

この「人の能力・特性」のことを、私たちは人の強み=「人材力」と呼んでいるのです。

 

能力というのは、
その人が生まれ持った特性や、それまでのキャリアで培ってきた知識技術のことをいいます。

例えばテレワークを導入するにあたっては、
まずはその人にパソコンやオンラインに関する知識がどれだけあるか?が重要となるでしょう。

そういった知識が不足している人には、必要な教育をする。

簡単に言うと、これが「人材力」を上げるということです。

 

特性というのは、
その人の感じ方や価値観、それらをどう表現するかの違いを言い、
仕事の得意・不得意にも関わってきます。

特性は本人にとっては「出来て当たり前」のことであるため、
当人では分からないことが多いのです。


そのため、周囲の人がじっくりと向き合って伝えてあげるか、
特性診断ツールを使って把握しなければ分かりません。

働く人々が、お互いがお互いの特性を知り、
その特性が仕事においてどのように活かせるかを知る。

これも「人材力」を上げていく取組となります。

メンバーをどう動機づけるか、
どういう仕事が向いているのか見極めるためには、

実は、その人の感じ方や価値観、つまりは特性を知り、
適切な役割を与えることが重要だと言われています。

「A君は数字(収益性)を考えるのはいまいちだけど、創造力や企画力は素晴らしいね。」

「B君は人との関係性を築くのは上手くないけど、数字の事なら彼に聞けば間違いないよね。」

「では、A君の出した数々のアイデアのうち、利益を上げられそうなものをB君に選んでもらおう。」

というふうに、個人の長所を見定めて、チームの構成を考え、
短所を他者の長所で補えるような組み合わせを皆で(少なくともリーダーは)考えることが重要です。

こういった長所・短所を知って初めて、
テレワークにおいても、
生産性を上げるためのルール(「組織力」)が、そのチームに合ったもとして出来あがり、

チームのメンバーが、お互いに適切なコミュニケーションを取る(「関係性」)こともできるようになるのです。

そうなって、初めて適材適所が出来ている組織が生まれるのです。

4.まとめ

新型コロナ感染症の影響で導入が進んだテレワークですが、
チームの生産性は下がっています。

これまで私たちは、同じ空間で長時間働きながら、
事業の中で総合的なスキルを身につけ、状況に応じて補い合いながら働いてきました。

そのような働き方の中で、
お互いの能力や特性といった強みにはあまり注目してきませんでした。

しかし、そのような働き方の課題として、
生産性の伸びが低いということが以前から指摘されてきました。

現代は、新型コロナ感染症の影響以外にも、
グローバル化の影響、少子高齢化の影響など、
私たちの働き方を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。

生産性が低いままでは、あなたの職場はもはや生き残っていくことは難しくなるでしょう。


働く人一人ひとりが強みをしっかり活かせれば、当然ながら生産性はあがります。

今こそ、今いるメンバーの強みに着目し、強みを活かした組織づくりを行うことで、

テレワークも含めて、新しい働き方を一から再構築していきながら、
生産性の高い働き方へとシフトチェンジしていくときだと、私は考えています。

TOPへ