日高税務会計事務所

まず成功体験をさせることが大切!?

20.10.19 | 所長メルマガ

仕事や趣味で経験の乏しい新人には、出来ないことを追求するよりも、教えたことがきちんと出来たことを褒めるのが良いとされる。昔に比べ失敗を恐れず積極的に挑戦する人が少なくなったからかも知れない。失敗を意識すると思い切った行動が取れないので、当然成功も小さくなる。だから、多少は失敗もして良いのだ、それより成功することは楽しいものだ と言うことを体験させ、自信を付けさせるために褒めるのが奨励される。また、叱って、モチベーションが下がったり、最悪、辞めてしまっては元も子もない。だから、まずは褒めよう、一人前のスタッフではなくスタッフ見習いのお客様だから仕方ない。身内の赤ん坊がハイハイ出来ら褒めるのと同じだろう。

これとは全く逆の指導を好む人もいる。低いレベルで褒めたら調子に乗って、更に上達するための努力をしなくなる者がいる。また、高い目標意識を持った者は、簡単に褒められても嬉しいとは感じず、自分は期待されていないと思うかも知れない。アマチュアスポーツの大会上位の常連チーム等では罵声も飛び交う中厳しい練習を行っているではないか。「可愛い子には旅をさせよ」のように、数多くの失敗を体験することによって実力が付いてくるものである。当然、ついてこれない者が出るのは仕方ないと考える。大手企業では脱落者も想定していて、多めに採用していると昔聞いたことがある。ところで、中小零細企業では会社の将来性や自分の出世や活躍を期待して入社する者はほとんどいない。だから、縁あって就職した人は大切に育てる必要がある。入社時の素質や実力も大手より劣ることから積極的に引き上げる必要がある。人数が少なく個性が多いことから、指導法は画一でなく個別対応が必要となる。
①業務に最低必要な知識や技能が不足しているなら徹底して体に叩き込む。
②経験不足から来る自信のなさは、少し努力すると出来ることを数多く体験させることで解消させる。
③プラス思考・・・成功、達成のイメージ、暗示の強化 とマイナス回避(リスク回避)思考・・・想定される障害が発生した時の具体的回避方法策定を習慣化させる。
④モチベーションを保つための工夫を学ばせる。これは、例えば、人は他人や組織が決めたルールや目標で納得いかないものにはやる気が起こり難い。そこで、既存のルールや目標から外れないところで自分独自のルールや目標を作り、それを達成すると会社等の目標も達成出来てしまう仕組みにする。また、一人であっても仮想のライバルと競い合うなど、会社が用意しなくてもゲーム的に楽しめるものを自分で作り出せることである。いやでも、どうせやらなければならない仕事ならば、自分で遊びの感覚を持ち込み少しでも楽しめる工夫をこらすことである。
 もちろん、モチベーションを保つ・高める工夫は、組織的に行える場合は行っても差し支えない。その方が組織は活性化するだろう。しかし、一人で出来れば一番良い。こうしたトレーニングをせずに個人任せではもったいない。当然仕事の疲れも違ってくるだろう。成果が上がり、疲労も少ないことは良いことである。そうなると仕事がより好きになり、生きがいも増えることだろう。
 ただし、人それぞれ仕事に対しての向き合いかたが違う。スポーツで大会で入賞するためと健康増進のため続けているのでは当然トレーニング方法やライフスタイルでの優先順位が違うのと同様です。しかしながら、仕事はきついもので、その対価として報酬を貰うと考えるともったいない。人生で一番多くの時間やエネルギーを使うものだから、金銭以外の多くの素晴らしい報酬を得るはずだから。趣味でもそうだが、楽しくなるには時間が掛かるものもある。人より上手になって初めて本当に好きになるもの。だから、仕事の面白さが早く解るための方法も、会社や先輩から提供できるのが望ましいと思う。

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