日高税務会計事務所

理由は後付けでよい!

20.12.16 | 所長メルマガ

人が買い物などするときは、①値段や効用、価値等を十分理解し、②使ってみたい、欲しい等と思い、③実際に購入のための行動を起こす と考えられる。営業の場でも、まず商品説明をし、客が興味を示すと、期待や価値を膨らませ、購入の障害となるものを取り除き、購入に至らせるのが上手な人が高い成果を上げる。つまり、知識、情報などを理性で判断し、思い、心など感情に変化が起こる、それが強ければ、身体活動つまり行動につながる。当然、それぞれの部分でブレーキとなることがあると想定されるので、販売側は、巧みな広告宣伝などで、それを弱めようと工夫する。

脳の構造から考えても、一見正しいように思える。大脳の前頭前野から感情を司る大脳辺縁系へ、そして運動神経への繋がりから説明できる。大きな蛇を見て、「蛇だ、怖い、逃げよう」、で走って逃げる。
しかしながら、順番が決まっているわけでもない。例えば一目惚れがそうだ。異性でなくて、商品の場合もある。出会ったしまった。理由なく感情的に手に入れたいなど、誰にでもあるだろう。また、お世話になった恩人の子息が困っているのを知って、何とか手助けをしたい。自分に何が出来るだろうと考えたすえ、行動を起こす場合もある。悪い例では、ムシャクシャするから人を刺した、誰でもよかった、後から考えると大変なことを犯した、申し訳ない などがある。行動が先の例はあまり浮かばないが、危険が迫った時、無意識に体が反応し、他人をかばう又は救う行動をとったなどがある。出会った当初は嫌いだったが、合宿等で食住を共にした結果、大親友となった例もあげられる。
 研究者や企業の経営者もいろいろいるが、優れた人はそれなりの思いや情熱がある。当初は個人的な野心から行動を起こしたかもしれない。しかし、周りの人や協力者たちに思いを馳せる。やがて、世間に役立ちたいとの思いに変容することが多い。そうなると、高い成果実績を上げ、やがて、人から認められるようになる。もし、研究者が自分の好きなこと興味のあることしか研究しなかったなら、食っていかないか、すき間の第一人者で一生を終えるだろう。経営者の場合、利益を上げるため会社を立ち上げたのだから儲からないとわかったら簡単に潰す可能性もある。社員は道具とは言わないでも、お互い儲けるための仲間(手下)と考え、不況等で首になったらよそで雇ってもらえと思うかもしれない。
   理屈や経済合理性だけで経営はうまくいかない。経営コンサルタントや学者先生が、ほとんど会社経営を行わないことから事実です。人、もの、金の乏しい中小零細企業が成長し大きくなることは困難です。しかしながら、過去も現在も未来も、夢を持ち続け可能性に挑戦し成功する企業は多数存在します。今までなかった技術や商品サービス等を生み出す原動力は、経営者あるいはリ-ダ-の感情(信念、思い、心)と行動(努力)です。成功は失敗を諦めず成功するまで続けたからだと言われることがあります。世にまだ無い価値あるものを生み出すのは、正気の沙汰で無いとも言えます。失敗の理由をあげるのは簡単です。しかし、成功の理由を挙げるのは難しいかもしれません。失敗の経験が成功に繋がったなら広い意味での成功要因です。やっている途中は無我夢中で気がついたら評価される状況になったという場合もあるでしょう。だから理由は後付けで良いのです。後からもっともらしい理由を付ければいい。もし、最初から旨くいくと頭で考え、やってみて旨くいったものなどおそらく大した価値は無いでしょう。

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