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クラウドファンディングで調達した資金にはどんな税金がかかる?

20.12.17 | 【税務】

資金集めとして利用されるクラウドファンディング。
どのような税務上の処理が必要となるのでしょうか。

金融機関から融資を受けるのがむずかしい場合でも、クラウドファンディングで資金集めに成功した事例があります。
では、クラウドファンディングを利用した場合、税務上どのような処理が必要となるのでしょうか。

リターンの有無や、利息や配当を 得るなどさまざまなタイプがある

クラウドファンディングとは、事業をおこしたい、夢を叶えたいなど、何らかの実現したいことがある人(起案者)がインターネットを通じてそれに必要な資金の提供を呼びかけ、その思いや事業内容などに賛同した人(支援者)が資金を提供するという資金調達システムです。
多くのクラウドファンディングでは、資金提供は無償ではなく、起案者が何らかのリターンを用意してそれを購入する形で行われています。
たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大、さらに外出自粛要請によって打撃を受けた飲食店を支援するクラウドファンディングでは、3,000円や1万円程度の資金提供の代わりに、リターンとして指定の飲食店で利用できる食事カードを受け取ることができました。
クラウドファンディングには、大きく分けて『非投資型』と『投資型』の二つがあり、非投資型には『寄付型』『購入型』、投資型には『融資型』『株式型』などがあります。
【寄付型】リターンがないクラウドファンディング。支援者は金銭提供のみ。社会的意義の強い活動や、起案者が著名人で多くのファンがいるケースが多い。
【購入型】起案者が何らかのリターンを用意し、支援者はそれを購入する形で資金提供を行うクラウドファンディング。
【融資型】起案者が、資産運用したい個人投資家など(支援者)から融資を受け、支援者はリターンとして利息を得るクラウドファンディング。
【株式型】リターンが商品やサービスではなく配当のクラウドファンディング。まだ日本では普及していないが、この株式型も投資型にあたる。こちらは非上場の株式会社に投資をするスタイルとなる。


クラウドファンディングの利用でかかってくる税金まとめ

 では、クラウドファンディングで取り交わした資金にはどのような税金がかかるのでしょうか。
【寄付型】起案者、支援者が個人か法人かによってかかる税金が異なる。
個人(支援者)から個人(起案者):寄付は贈与とみなされるため、起案者には、基礎控除の110万円を超えて寄付を受けたときに贈与税が発生。支援者にかかる税金はないが、所得税の寄付金控除の対象にはならない。
法人(支援者)から個人(起案者):起案者に所得税が課税される。支援者にかかる税金はなく、法人税額の計算上、一定の制限のもとで寄付金として損金に算入が可能。
個人(支援者)から法人(起案者):受贈益の扱いになるため、起案者には、法人税が課税される。支援者にかかる税金はなく、所得税の計算上、一定の要件のもと寄付金控除の対象となる。
法人(支援者)から法人(起案者):受贈益の扱いになり、起案者には、法人税が課税される。支援者にかかる税金はなく、法人税額の計算上、一定の制限のもとで寄付金として損金に算入が可能。

【購入型】起案者が個人の場合は所得税、法人の場合は法人税の対象となる。また、リターンの作成費用は経費として計上可能。ただ、資金額に対してリターンが少なすぎる場合は、寄付型と見なされることもある。支援者はリターンとして受け取るサービスや商品を購入したものなるため、原則として消費税の課税対象取引とされる。
【融資型および株式型】支援金は融資金、出資金のため起案者にかかる税金はない。支援者が利息や配当を受けた場合は所得税の課税対象となる。

 クラウドファンディングはインターネットの普及に伴い、特にアメリカやイギリスでは、資金集めの方法として一般的になりつつあります。
それぞれの型によってかかる税金の種類が違うので注意しながら、事業の拡大に活かせるか検討してみてもよいかもしれません。

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