日高税務会計事務所

ニッチ(スキマ)はどこにある?!

21.04.19 | 所長メルマガ

よく中小零細企業は大手が参入し難いニッチな市場で戦えと言われる。問題はニッチ(スキマ)はどこにあるかよく分からないことだ。また、一般にニッチは市場規模が小さく収益性も低いと言われる。本当に収益性は低いのか。もしそうなら、頑張っても急成長は無理だしすぐに限界に達してしまうはず。競合の多い大都市圏を避けることは、スポーツなどで言うと上位入賞が難しいのでレベルの低い大会に出場し優勝して自己満足するようなものではないかと考えてしまう。

ニッチの収益性が低いとの認識は正しくない。価格の設定も大切である。量産品と同じ土俵では勝負できない。例えば、スーパーマーケット内の焼きたてのパンは、工場で作られたパンより値段が高いがそれなりに売れている。また、衣料品や家具など多くの製品のオーダー品は一般に既製品(規格品)より値段が高い。もしもある人が思い出の大事な一品の修理を望み多くで断られても、ある一社が料金は高いが修理出来るとあれば依頼するかもしれない。価格は需要と供給で決まると経済学で学ぶ。だから需要が多くなくても、それ以上に供給が少なければ価格が高くなるのは当然だろう。多くの中小零細企業は値決めが下手と思われる。経営学者の坂本光司氏が講演会で言ってあったが、量産品・低価格品は大手に任せ、中小企業は高付加価値な商品サービスで勝負するのが正しい戦略とのこと。
お客様の無理な注文に臨機応変に答える中小企業が儲からないのはおかしい。大手と違う付加価値を生み出している中小企業が大手を基準に安売りするから儲からなくなる。また、価値を正しく伝える努力も必要。量産品や普通のものと何が違うのかを。黙っていると大抵、お客はその価値に気づいてくれない。 理由が分からなければ値段の高いものを買わないのが普通です。
 ニッチはブルーオーシャンでもある。そしてそれは身近なところに沢山ある。中小零細企業が目指すブルーオーシャンは一見レッドオーシャンと同じ領域にある。そして、多くの人がそこに気づいていない。
   相模食料株式会社と言う豆腐で日本一の会社があります。最近の18年で10倍超の成長です。業界2番手の2.5倍の売上だそうです。数年前、ガンダムの「ザクとうふ」で話題になりました。他にもヒット商品を多数出しています。代表取締役社長の鳥越淳司氏は講演会(日本経営合理化協会主催セミナー:CD販売有)の中で語ってありました。  
   誰もが「やれば勝てる」とわかっていても 結局誰もやらないことをやる これにつきると。 大概それは「新しいこと」ではなく、その辺に転がっている「使い古されたこと」。  なぜやらないのか? 勇気と覚悟がいるから。 一度勇気を出せばやれるようになる。 誰もが「そんなのできるはずがない」と思っているので誰もやらない。だから、やれば一人勝ち出来る! と
   豆腐業界の「できるわけない」の三つは、 基本の豆腐(木綿・絹)をもっとおいしくすること、 新しい豆腐カテゴリ-を生み出すこと、 破綻した豆腐メーカーの救済と再建を行うこと だそうです。
三つを根気よく行った結果、急成長につながったそうです。
 中小企業の経営者でありふれた戦略やノウハウで成功した方が、それをセミナーや書籍等でつつみ隠さず公開する方がいらっしゃいます。理由は、どうせ、見聞きしても実際にやらないから ライバルにならないとのこと。また、公開することによって、お客様が増え、さらに、他の経営者から良いアドバイスやヒントをもらえるチャンスも増えるプラス効果もあるからだそうです。
 既存の商品や技術、サービス、顧客を見直し、絶対的な価格競争は避け、より質を磨き、高付加価値、高収益を生み出せる新たな事業を作り上げましょう。

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