日高税務会計事務所

ニッチ(スキマ)はどこにある(その2)?!

21.05.17 | 所長メルマガ

一見、手間がかかり儲からないと誰もが考えるものがある。本当にそうなのか? やり方によっては利益が出せるようになるのではないかと疑問を持つことからニッチが見えてくる場合がある。あるいは、アイデアと工夫でニッチを作り出すとも言える。

   例えば、製造業の場合、高価な機械や工具の一部を自製化出来ないだろうか検討してみる。もちろん原材料や部品も同様である。また、既存の製品用の部品や製造設備が活用出来ないかも重要である。もし可能ならばコスト削減になる。また、原材料など他社との共同購入で原価を下げることが出来ないか考える。製造業以外でも、WEBやSNSの活用あるいは、宅配業者の活用などでコスト(固定費)をあまり増やさず、売上(粗利額)を増やす方法などないか検討する。ひと昔前は中小企業が販売エリアを増やすと上手くいかないと言われていたが、IT等を上手く駆使すると全国で商いが出来るかもしれない。
 環境適応力の高さも、ニッチを生み出す。一般に大手や官公庁など組織が大きくなると意思決定から行動実践まで時間が掛かる。そうなると中小零細企業が有利である。もっとも、多くの零細企業は変化対応を好まないから儲からないままであることが多い。大手と違い、中小企業はあまり世間体など気にし過ぎることが無いと思われるから数多くの小さな試みを行い、上手くいったものを残せば良い。お客様の要望に耳を傾け、可能な範囲で素早く対応出来れば必ず支持される。他所のおこぼれのような仕事をしている限り儲けは少ないだろう。ところで、環境適応力の高さと言えば、雑草が素晴らしい。花の咲く時期や生育速度など本来の特性を曲げても環境に適応する。 『 「雑草」という戦略 予測不能な時代をどう生き抜くか』 稲垣栄洋 (著) 日本実業出版社 に詳しくある。 雑草生態学が専門の植物学者による、ビジネスや人生にも役立つ雑草の生き方、生存戦略について紹介する一冊です。経営戦略の参考にもなります。
 ニッチを活かすためには、事前の準備が必要です。「幸運の女神は前髪しか無い」という言葉があります。目の前のチャンスで直ちに行動出来るようにしておかなければなりません。ただし、中小零細企業は資金等の余裕がないので、大がかりな準備は出来ません。予測可能な全てに最小限必要な準備はしておきましょう。雑草はそのような生態のものが多いとか。
 ランチェスターの法則をビジネスに使う場合、中小零細企業では業種や商品、事業領域などを絞り込むことが当然のように言われる。これは、絞った範囲(領域)内でシェアナンバーワンになるためのもの。ナンバーワンになれば販売費等が相対的に減り利益が増えるから。そして、この範囲内では「強者の戦略」が使える。 もしもこの領域に大手等強力なライバルが進出した場合の対象法は、①撤退する。 ②商品サービスを変化させ客層がかぶらないようにする。 ③本来の商品サービスはそのままで、間接的な付加価値(情報や安心、精神的豊かさの増大等)で差別化する。 などです。
 ニュースレターやメルマガ、ブログなどを活用したファン作りマーケティングは、ニッチ市場を自然発生的に生み出す効果があるようです。多少手間がかかり、地味ですが結構注目されています。

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