日高税務会計事務所

自社にはこれと言った強みは無い!?

21.06.15 | 所長メルマガ

融資や助成金などの申請のため事業計画を作成することがある。厳しい環境であり、確実に達成が見込まれるところだけでは数字が足りない。そこでかなり楽観的に考え数字を上乗せしたりする。より本格的なものを作成する場合は、SWOT分析など行い、自社の強みや市場の傾向分析から新たな新商品や市場を決定し、それを事業計画に織り込むことが多いと思われる。

ところで、中小零細企業がSWOT分析を行う場合、内部環境の S(強み)は少なく、W(弱み)ばかりが沢山見つかる。また、外部環境も O(機会)より T(脅威)ばかりが見えてくる。 これでは新しいことなどに挑戦することなど不可能に思える。何もダメ出しをするためにSWOT分析をするわけでは無いのだから、少し楽観的に考えた方が良い。例えば多少経験があるだけでも強みと考える。また、経営者も含め やりたいと思う人が多いというのも強みだろう。経験がなく怖いこと知らずだから始めたと言う場合もある。本当かどうか知らないが、トヨタ自動車が創業した要件の一つに、地域に鋳物製造の技術があったため、それを応用すればエンジンが開発できると考えたのだろうと書いた本があった。対象となる仕事が好きや楽しいは強みになる。当然、お客様の信頼が高いとか購入先のアドレス等にあるなども強みだろう。だから、優良な固定顧客が多いは大きな強みと言える。また、地域で知っている人が多いも強みです。
 機会(O)も 他所があまり儲からないと考え新規参入が無いならば拡大のチャンスです。もしナンバーワンに成れるオンリーワンの場所が見つかれば最大限活かすべきです。環境の変化に素早く対応でき小回りの効く中小零細企業は、強みであり機会にも優れていると考えて良いだろう。小さく始めて上手く行けば少しづつ広げる。上手くいかなければ撤退、あるいは修正して再挑戦。それらを繰り返せば当初の計画どおりと行かなくても、それなりの成果を出せる可能性は十分ある。
 中小零細企業の事業計画は、こうした楽観的な分析を元に立てるのが良いのではないかと思う。もちろん、本格的に教科書的な中期経営計画を作成するのが理想かもしれないが、無理な場合が多いだろう。しかし、既存の延長線上の計画では夢が無く面白くない。だからこそ、出来るかどうか解らなくても夢のある計画を作るべきです。変わろうと思わなくては、新しいことなどに挑戦できないものです。
 中小零細企業は大手と比較すると規模が極めて小さいから弱いと意識されます。また、人に語れるような立派な経験や実績も少ないので自信がありません。さらに、目の前の仕事に追われて自らを振り返ることが出来ていません。だから、過小評価されている場合が多いようです。しかし、潰れずに生き残っているのは実は強いからです。そのように考えても良いと思います。戦う土俵が違うのでしょうか。自信を持って意識的(計画的)に行動出来れば、今以上に発展出来るはずです。

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