山内経営会計事務所

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休めば生産性が上がるって本当ですか?

21.08.24 | 働き方改革

先日、北海道に旅行へ行ってきました。

4泊5日で温泉や美味しい食事を満喫し、
しっかりとリフレッシュできました。

帰ってからの仕事は、
さぞかし集中できるだろうと思っていたのですが・・・

逆に仕事のペースは落ちてしまいました。


フランスなど、長期休暇を取っている国は、
日本より生産性が高いと言われているのに

なぜ私の生産性は下がったのでしょうか?



調べてみると、長期休暇と生産性には、
明確な相関関係が無いということが分かりました。

小倉一哉 長期休暇が企業経営に与える影響
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2005/07/pdf/004-014.pdf


しかし、不思議なことに
長期休暇を取り入れている企業の業績は向上しています。

休むことによって生産性が上がるのではなく、
休めるような職場環境を創ることが、
組織の生産性を向上し、企業の業績を向上させるのです。


生産性を上げないと休めません。

フランスは、ワークライフバランスと、
労働生産性が世界トップクラスです。

フランス人が生産性高く、長期間休める要因として、
次のような要因があります。

1.能力重視

フランスは能力重視。
ジョブ型雇用でポストや報酬が決まります。

年俸制以外の労働者の法定労働時間は、週35時間しかありません。

管理職は年俸制のため、
チームの仕事をいかに早く終わらせられるか?という能力が問われます。

2.コミュニケーション研修の充実

対話を始めとするコミュニケーション方法、
意思決定方法、
会議での成果の高め方といった、
「チームで成果を上げる方法」を学ぶ研修が充実しています。

管理職に対しても、
マネージメントや、リーダシップについての研修が施されます。


3.バカンスに命をかけている

これは、もはや国民性の違いですね。

休むためにいかに効率的に仕事をするか?
チームで業務改善をどうするか?
を真剣に考ええているわけです。


このことから分かるのは、
フランス人は休んでいるから生産性が高い訳でなく、

長く休むために
組織の全員が生産性を高めようと工夫するから、
業績が高まり、

その結果として、
長期休暇を楽しむ余裕が生まれるのです。


組織の生産性を高めるためには、
業務の見直しをチーム全体で行う必要があります。

今の業務を洗い出し、
どう改善するかを全員で話し合うのです。


フランスでは、コミュニケーション始めとする研修によって、
「成果をあげる話し合いの技術」が身についているのです。

立場も能力も性別も国籍も関係なく、
フラットに話し合える。

そんな組織だから、
生産性が高まるのでしょう。

そして、
そんな組織を増やすことに携わることが、
今の私の目標となっています。


ところで、
フランス人は、バカンスは一か所にとどまり、
何もしないでぼーっと過ごすのだとか。


一方で私の旅行は、
函館~新千歳間を自転車で移動する、
ちょっとハードなものでした。

自転車の移動は楽しく、
気分転換はできたのですが・・・

日ごろの運動不足がたたって、
疲労が抜けるのに数日かかる羽目に。


生産性を高めるためには、
ぼーっとする時間も大切ですね。

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