税理士法人SKC

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「北九州市の都市ランキング」

21.08.26 | 堺俊治の独り言的情報

森記念財団都市戦略研究所が8月24日、経済力や住みやすさなどの特性から国内の東京23区を除く138都市を評価した「日本の都市特性評価 2021概要版」を発表しました。138都市の選定基準は(1)政令指定都市(2)都道府県庁所在地(政令指定都市を除く)(3)人口17万人以上の都市です。第1位から第80位までが掲示されています。東京23区を除く138都市の評価の合計スコアで第1位となったのは大阪市です。第2位は京都市、第3位福岡市、第4位横浜市、第5位名古屋市と続きます。

 さて北九州市はというと、合計スコアで19位でした。福岡市の第3位以外の九州の都市では、熊本市が北九州市より上位の17位、鹿児島市20位、長崎市23位、宮崎市35位、佐賀市44位、久留米市47位、大分59位、佐世保市76位となっています。北九州市は政令指定都市20市中(東京23区を除く)13位(人口も同じく13位)です。この都市評価は2018年から開始されており、北九州市は2018年は19位、2019年17位、2020年は20位という評価でこの数年大きく変化はしていません。この結果を皆さんはどう受け取りますでしょうか。
 この都市評価の合計スコアは「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野の評価点を合計したものです。北九州市を分野ごとに観ていくと、先ず「経済・ビジネス」が致命的です。80位以下の評価になっています。この分野で福岡市は5位ですから、大きな差がついています。「経済・ビジネス」の評価内容は、経済規模・人材・ビジネスの活力やビジネス環境などの20項目で評価されています。佐賀市が51位ですから80位以下という評価がいかに低いかがわかります。「研究・開発」分野では14位で、この分野が最も高位の評価です。ロボットの開発やアジア成長研究所の功績が大きいのかとも思います。「文化・交流」の分野は16位ですが、ホラシスアジア会議などが開催されれば、評価も少しは上がるように思います。「生活・居住」の分野では、50歳以上が最も住みやすい街とか言われていた割には40位で、この分野の第1位は福岡市です。「環境」に関して北九州市は環境モデル都市とか言っていますが、評価は47位でこの分野第1位の宮崎市にははるかに、熊本市21位にも届いていません。ただしこの分野だけが福岡市(63位)を上回っています。最後の「交通・アクセス」分野は16位ですが、福岡市が3位の評価なら、北九州市が5、6位に評価されてもいいような気はします。 以上が、森記念財団都市戦略研究所が下した北九州市への評価の内容ですが、「経済・ビジネス」分野の評価の低さが痛いほど身に染みます。北九州市の経済・ビジネスの分野をどう活性化していくかは、鉄冷えと叫ばれ始めてからの最大の課題ですが、今もなお北九州市でビジネスの最前線にいる我々の最優先課題であることに変わりはありません。

 *森記念財団都市戦略研究所 http://mori-m-foundation.or.jp/ius/jpc/

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