山内経営会計事務所

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あなたの周りに「メンドクサイ人」を置いていますか?

21.09.26 | チームビルディング

パラリンピック期間中に
「アニメ・イン・ザ・ダーク」というテレビ番組を見ました。

パラリンピック競技である
ゴールボールを表現するアニメの
制作過程を追ったドキュメンタリーです。

ゴールボールは、簡単に言うと「目隠しをした3対3のハンドボール」です。

番組の主人公は、
アニメ制作監督の高橋さん。

目の見えない状況にあるゴールボール女子日本代表が、
なぜ敵のフェイントに惑わされずに、
敵やボールの位置を把握できるのか?

に迫るアニメを作ろうとします。

そのために目指したのは、
私たちから見えるゴールボールという競技ではなく、
目隠しされた選手たちがどう視えているか?

選手の脳内のイメージを描こうとしました。

この番組で一番印象に残ったシーンは、
番組後半に高橋さんが、
「みんな〇〇〇にメンドクサイです。おかげで収集つきませんけど。」

と言って満足そうに笑ったシーンです。

収集がつかないのに、
なぜ、高橋さんは満足げだったのでしょうか?

番組のメインテーマは「対話」

新型コロナの影響で、
選手への取材はオンラインのみ。
なかなか映像のイメージが湧きません。

そこで、視覚障碍者の人に話を聞いて、
自分の状況をどう把握するか?とか
そのイメージする世界ってどんな感じ?

ということをインタビューしていきました。

そんななか、ようやく選手の練習を取材する機会が得られました。

高橋さんは、
選手がコミュニケーションをものすごく取っていることに気づき、
インタビューで質問します。

その答えがかなり衝撃的でした。

「いま焦ってる。とか普通に言ってます。」

普通のスポーツや仕事では、
自分の気持ちを発言することはありません。

一方、視覚障碍者からは、
「対話をして」というセリフが何度も出てきました。

対話は、情報を伝えるだけのコミュニケーションとは異なり、
行動の背景にある考えや気持ちをちゃんと聞いたり、話したりするコミュニケーションです。

目が見えないからこそ、より対話が重視されているのです。

チームで新しいことに取組むとき必要な対話

高橋さんは、取材を通して学んだ対話をアニメ制作に取り入れます。

今までは、自分が作った絵コンテ通りのものを作るように、
一方的に指示をしていました。

今回は、担当者に絵コンテを見せて、
「どう思う?」と必ず相手の意見を聞いて、
そのうえでかなり細かく絵コンテを変えました。

今までのやりかたを、根底から変えて、
新しいやり方でアニメを制作したのです。

相手が持っているイメージと、
高橋さんの持っているイメージをすり合わせる。

意見をぶつけ合ったことで、
新しいものが、より高いレベルで完成したのです。

高橋さんは、
「みんな前向きにメンドクサイですよ。おかげで収集つかないけど。」
と言って満足げに笑いました。

これって、会社の経営も同じです。

時代が変われば、
事業内容を始め、組織として変化しなければなりません。

しかし、チームがイエスマンばかりになったら、
多面的なモノの見方ができません。

リーダーの能力が、そのまま組織の限界になっては、
企業の永続はおぼつかないでしょう。

あなたの周りにメンドクサイ人はいますか?

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