山内経営会計事務所

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成長意欲が低い従業員の心に火を灯すには

21.12.27 | チームビルディング

世界に比べて、日本の生産性の上昇ペースが遅いと言われています。
その理由の一つとして、
企業の教育訓練費の金額が少ないということが挙げられます。

中小企業に研修講師として伺うと、
従業員の学ぶ意欲が低いのもひしひしと感じます。

外部講師としては、そんな状況は逆に闘志が湧くのですが、
経営者としては、つまらない研修をしてしまったら、
従業員の不満が高まるのではないか・・・
と恐れる気持ちも分からないでもありません。


成長意欲の乏しい従業員の心に火を灯すには、
どうすれば良いのでしょうか?

私の事務所では、
事務所のビジョンとスタッフの人生ビジョンをすり合わせるために、
定期的に面談を行っています。

行っているのですが・・・。

スタッフから
仕事を通じて成長したい!
という欲求が伝わってきません・・。

「今のままの働き方で満足です。」

そういった成長欲求が小さいスタッフに、
どうやって成長してもらうか?
その提案に迷ってきました。


本人の欲求に反して、無理強いしては、
従業員満足度が低下します。

しかし、経営者としては成長してもらわなければ困る・・。


しばらく葛藤してきましたが、
今回私なりに覚悟を決めました。

毎年10月が閑散期。
従業員は時間を持て余し気味なので、そこを狙って

「10月に試験を受けてみませんか?勤務時間中に勉強しても構わないし、サポートもします」
と、かなりドキドキしながら提案してみたのです。

そうしたら、
「勤務中に勉強してよいのなら。」ということで勉強を始めてくれました。


ただ、
見るからに乗り気ではありません。

これは来年以降の受験継続は無理かな・・

試験が近づいてきて、
私は半ば諦めつつ勉強の進み具合を聞いてみました。


すると、
「子供たちと一緒に勉強しています」
という意外な答えが返ってきました。

これは私が想定した最高のビジョンだったので、
その時は本当に嬉しかったです。


試験が無事終わり、
その後の面談で確認したかったことがありました。

それは、
「試験を受けて良かったか?」
「試験は今後の仕事の役にたちそうか?」
ということでした。


もし、否定的なフィードバックがあったなら、
戦略を見直さなければなりません。

ですが、
当初からの不安は杞憂に終わり、

「久しぶりに勉強して楽しかった」
「今回の勉強を仕事に活かせています」

と、好意的な意見が大半でした。

そして、来年の10月も試験に挑戦してくれることになりました。

成長意欲が乏しいように見える人でも、
仕事につながる知識を学んで成長することは楽しかったようです。

実際にやらせてみないと成長欲求というものは、
伝わってこないのかもしれません。


あなたの会社にも、
成長意欲が乏しく見える部下はいませんか?

もしかしたら、
欲求が伝わってこないだけで、
本当は成長を望んでいるかもしれません。


脳神経科学の見地からも、
学習しているときに、

「これは成長できそうだ」

と感じたとき、
脳内では大量のドーパミンが放出されます。

ドーパミンが放出されると、
集中力が高まり、
モチベーションも高まることが分かっています。


つまりは、普段は成長意欲が眠っているだけで、
覚醒(ドーパミン放出)に必要なのは、
経営者の覚悟なのかもしれません。


従業員が「成長できる」と思えるものなら何でもよいので、
一度チャレンジさせてみてください。



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