日高税務会計事務所

個性の合わないものを目指すべきで無い!?

14.12.15 | 所長メルマガ

自動車で言うと、燃費の良くて小回りの効く軽自動車と馬力の高いスポーツカーや大型トラックで スピードや荷物の輸送量を競争させても結果は明らかです。無理をすると軽自動車の方が事故や故障も多く発生するでしょう。人間の場合は努力によって変わる部分も有りますが、好奇心旺盛で行動力のある人(冒険者)と 慎重でコツコツと努力を続ける人(挑戦者)と大きく2つに分かれると思います。もちろん、両方併せ持った人やどちらもダメな人もいますが、ここでは無視します。事業の創業者や業績を大きく伸ばした経営者などは大抵前者です。自分の能力を活かせる仕事がないから、上司と合わないから、リストラされたとしても サラリーマンから経営者に転身する人は少ないようです。だから後者はこちらに多い。創業者と二代目等が対立する場合がありますが、その原因の一つかも知れません。しかし、同族会社の経営の場合は時間を掛けて調整を図れば良いのですが、一般社員の場合は大変です。せっかちな社長(上司)のもと成果をすぐ上げないとダメ社員の烙印を押されかねません。また、今でも年功序列的な人事が残っている職場もあり、職人タイプで調整能力の低い人が中間管理職に成ったりすると苦労し最悪の場合うつ病などになることもあります。

ところで誤解の無いように補足しますと後者の(挑戦者)は目標や課題にに対しての限定的挑戦者という意味です。未知のものや限界への挑戦は(冒険者)に備わっています。親族の事業をそのまま引き継ぐことや二番手(物まね)商法も広く考えれば後者とも言えます。(冒険者)は、成功することが目的なので、失敗を恐れません。試行錯誤で数多く挑戦し成果に繋げようとします。失敗もプロセスの一部です。目標・課題は夢のような高すぎるものでかまいません。これに対し(挑戦者)は課題を達成することが目的です。したがって、如何に効率的に達成するかが重要で、失敗は悪だと考えます。(挑戦者)に最大限行動してもらうためには、適切な目標・課題を与え、状況に応じ変更し、叱咤激励し達成させることです。目標・課題が高すぎるのも、低すぎるのもいけません。ビジネスを成功させるのにはこの両方が必要です。しかし、経営者が2つを兼ねていることは少ないので、異なるタイプの側近を置くことでカバー出来ればよいでしょう。ところで、中堅社員や中間管理職向けの心理学系(カウンセリング・コーチング)の書籍 には「自分の内面と向かい合いましょう」とか「無理しなくてもいい」とか上手なストレス発散法など どちらかと言えば(挑戦者)の負担を軽くするものがほとんどです。これに対し欧米の書物の翻訳で『コーチングの神様が教える「できる人」法則』マーシャル・ゴールドスミス他著 日本経済新聞出版社刊1944円 によると 管理職で 能力は高く仕事は出来るが 欠点に気づかないため 伸びなやんでいる人が 専門家のアドバイスを受け入れ成長する事例が示されています。やはり欧米では能力主義で仕事が出来ることが第一、しかし、経営幹部に成るには周囲への気配りも出来ないといけない。日本とは順序が逆ですが、最終的には仕事ができ、人間的に魅力が無ければ 名リーダーには成れないようです。

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