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賃金のデジタル払い解禁について
23.05.09 | グロースリンク 労務部門より
★5月の労務情報★
こんにちは。労務チームの可知井です。
ようやく花粉も落ち着きを見せ、温かく過ごしやすい日々になってきましたね。
今回は4月1日より解禁されたデジタルマネーによる賃金の支払いについてご案内を致します。
まず、労働基準法に定められている賃金の支払いのルールを見ていきましょう。
賃金の支払いには以下の五原則があります。
・通貨払いの原則
・直接払いの原則
・全額払いの原則
・毎月1回以上払いの原則
・一定期日払いの原則
ざっくり要約しますと【賃金は通貨で直接労働者に全額、月1回以上の一定期日の間に支払いましょう】というものです。
ただ、この原則には例外も多くあり、有名なものであれば多くの方が利用している給与の口座振込です。これは、労働者の方が給与を直接ではなく口座振込に変更することを同意します、という条件のもと成り立っているものです。
今回、口座振替と同様に労働者が同意することで、通貨のデジタル払いが可能になりました。
●賃金のデジタル払いとは?
現在、多くのキャッシュレス決済(PayPayなど)の普及が急速に進んでおり、送金サービスの多様化が進んでいます。このようなテクノロジーの進化と利便性向上のため一定の要件を満たすことで賃金のデジタル払いができることとなりました。
じゃあすぐにデジタル払いに切り替えられるかというとそうではなく、具体的には4月1日からどのサービスをデジタル払いに利用できるか(資金移動業者)の申請を受け付け、審査している段階ですので、実際に厚生労働大臣の指定を受けて使えるようになるまで数か月程度かかると言われています。
また、仮に企業がデジタル払いを導入したとしても、全ての労働者がデジタル払いに切り替えなければいけないという訳ではなく、受け取り方法の選択の自由は労働者側にあります。
デジタル払いを強制した場合には、雇用主に労働基準法違反となる可能性があります。
その他、導入には労使協定の締結が必須であり、その他にも細かいルールがありますので導入のご検討は慎重に行っていただければと思います。
●デジタル払いの導入は必要か?
まだ具体的な運用はこれからですので、一概に導入の可否を問うことは難しいですが、
メリットとして想定されることとしまして、企業側ではデジタル払いの対応による企業イメージの向上や銀行口座振り込みの手数料削減、外国人労働者への対応 などが考えられます。労働者もキャッシュレス決済をメインで使われる方にとっては利便性の向上が期待できます。
一方で、実際の社内運用、導入手続きやセキュリティなどの面では検討するべき点はあります。
とはいえ、より一層IT化が進んでいく現代において、時代の流れに遅れないためにも柔軟な賃金支払いを検討しなければいけない日は思った以上に近づいているかもしれません。
厚生労働省のホームページでは、労働者・雇用主向けのリーフレットも作成されていますので詳細はこちらからご確認ください。
【厚生労働省 賃金のデジタル払いが可能になります!】
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001065931.pdf
~労務担当者のご紹介~
グロースリンク社会保険労務士法人(グローリンクグループ)
・土江 啓太郎 代表社員/社会保険労務士
・柴垣 裕美 労務コンサルタント
・伊藤 あゆみ 労務コンサルタント
・林 美玲 労務コンサルタント
・香川 真輝 社会保険労務士
・多賀 権行 労務コンサルタント
・夏目 幹子 社会保険労務士
・藤本 里英 労務コンサルタント
・東 夏実 労務コンサルタント
・可知井 佑介 労務コンサルタント
・福田 愛 労務コンサルタント
・藤田 美香 労務コンサルタント
HP:http://growthlink-sr.com/
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