日高税務会計事務所

ニッチの探し方と儲け方について!

23.06.16 | 所長メルマガ

中小零細企業はニッチ(すき間)を狙えと言われます。2年前に『ニッチはどこにある?』で2回にわたって取り上げました。しかしながら、簡単にニッチを探す方法を提示することは出来ませんでした。最近、読んだ本の中にヒントとなりそうな記載がありましたので、その紹介と、儲かるようにするための努力工夫の方法を述べていきます。

『時間最短化、成果最大化の法則』木下勝寿著(ダイヤモンド社刊2022/11)と言う本があります。仕事で成果を出している人の思考アルゴリズムを著者自身が実践してみて45種類の法則にまとめたものです。今回紹介するのはその8つ目の「他人を簡単に出し抜ける方法 めんどうくさければGO!の法則」です。まず、仕事は「やるべきこと」と「やりたいこと」と「やれること」の3つに区分することができます。その3つの区分が重なるところが本人に取ってやり甲斐のある仕事ですが、滅多にありません。
   ①やるべきで、やりたくて、やれること=最高の仕事
   ②やるべきで、やりたいこと=楽しい仕事
   ③やりたいが、やる必要の無いこと=自己満足の仕事
   ④やりたくて、やれるが、やる必要のないこと=ただの趣味 
   ⑤やれるが、やる必要の無いこと=ムダな仕事
   ⑥やるべきで、やれること=ラクな仕事
   ⑦やるべきだが、誰もやらない「めんどうくさいこと」=一人勝ちできる仕事
多くの人は「やりたいこと」「やれること」しかやりたがらない。そうすると「やるべき」だが「やりたいこと」「やれること」では無い⑦の部分が残る。従って、これをやる人が一人勝ちできる。自分自身がめんどくさいと思う仕事は大抵、他人も同様の考えだ。だからこそ高い参入障壁となる。同業者と競争にならない。同業者の目に映らないブルーオーシャンとなる。だから、やる候補にあげる価値がある。
 だが、対象が見つかっても儲からないビジネスは成り立たない。1つの方法は量をこなすことだろう。
本業に付随関連する仕事や、製造等の副産物等であれば社員のモチベーションは上がらず、得られる金額も僅かだろう。その場合、思い切って、めんどうくさい部分を特化し、同業者等からその部分を引き受けるなりして絶対量を増やしてみる。そうすると合理化や分業、機械化等が可能になり生産性が上がるかも知れない。手本となる同業者はないが、現場社員等一丸となって取り組み成功すれば喜びも大きいものになることだろう。今はインターネットの普及により全国から注文を集めることも可能だ。
 さらに、もっと大事なことがあります。それは、大手量販店や一般的な商品サービスを扱う同業者の価格を参考にしないこと。定価や出来ればプレミアム価格を乗せて提供することです。何故なら、お客様が欲しているのに同業他者がめんどうでやりたくない仕事だからです。当然、通常より無理な条件を課して提供しているからです。通常営業時間外の作業、超短期間の納期、特別仕様改造、特注品、単品・少数ロットなど大変な労力が掛かっています。だからお客様がここまでならば払っても良いと考える額より少し安い位の金額が理想です。ところで、お客様の中には相場観が無い方もいらっしゃいます。したがって、事前にどれだけ仕事が大変なのか丁寧に説明し納得のうえで仕事を進めるのが無難です。
足下を見て価格を高くふっかけられたと勘違いされないためです。一般に零細企業は控え目なところが多いです。良いサービスを提供しているならば当然適正な報酬を請求するべきです。

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