日高税務会計事務所

お金をあまり使わずに利益を増やそう!

23.07.14 | 所長メルマガ

会社の利益を増加させるためには粗利益の増加が基本である。しかしながら、販売数量を増やすのは難しい。販売単価を上げると売れなくなるかもしれない。仕入原価を減らすのも相手があるから難しい。したがって簡単な経費(固定費)の削減から手を付ける経営者がいる。この優先順位は間違いです。コンサルタント等も易しい方法を提案します。

何故なら、中小零細企業では削減すべき経費はほとんどない。高度成長期やバブルがはじける前は有ったかもしれないが。例えば、交際費が平均的他社より多かったとしても、それは仕事を貰うために不可欠なもの。赤字の場合、仕事に関係するゴルフや接待は社長等の自腹である場合もある。販売広告費が売上に比例する業種では減らすと利益が減る。大抵金額が多いものは減らせないのである。
 細々とした経費削減も ちりも積もればと考えることも出来るがそれは大手企業の場合だ。乾いた雑巾を絞るようなことでも全社で取り組めば数百万円から数千万円以上の改善につながることも多いだろう。しかしながら、中小零細企業では経費削減の効果は少ない。ウチの事務所でも以前、昼休みに照明を消したりしたこともあった。コピー用紙の裏面の再利用は、ホッチキス針の取り除きの手間と紙詰まりトラブル件数の増大を招く。だが最大の問題は、社員のやる気を失わせることだろう。
 売上(粗利益)を増やすためには、営業強化が必要になる。だからと言って、担当専任者を置いたとしても解決しない。営業経験者を新に雇っても、経験があるだけの二流以下の者だろう。また、商品、サービス自体も特別優良であることは希だろう。そうであっても小さな努力の積み重ねから売上を増やすことは可能だろう。基本的に、中小零細企業は会社の存在を含め商品サービスを必要とする人(業者)に認知されていない。だから、少しだけアピールが必要。例えば、販売時に別の商品等についても一声紹介するなど。さらにPOPなどで一言特徴の説明を追加するなど。関心を引くための一手間を加えましょう。話しが少しそれますが、社内コミュニケーションを良くするために、挨拶の言葉にその人向けの一言を加えることが奨励されたりしますが、対話は重要です。営業も接触の機会を増やし商品サービスの良さを知ってもらわなければ売上は上がりません。さらに出来れば知る人から買いたいのです。
 売り方にも工夫が必要です。2種の商品を扱っていて高い方を伸ばしたいならば、更に高価格の商品を用意する方法があります。松・竹・梅では竹が一番売れるからです。少し高めの商品ならば、機能等の一部を制限した お試し廉価版を用意します。そして、購入し商品の良さを理解したお客様を次回で標準あるいは高機能版に誘導するなどの方法も考えられます。
 販売の成功事例の共有化・標準化も必要です。営業のダメ社員は全てが劣っているわけでなく、いくつかの弱点のため成果が上がらない。逆に優秀な社員が全てで優れているわけでも無い。だから、営業のプロセスを分析分解し、標準のやり方を設定します。そして、チームによる分業を行うことにより営業組織全体のパフォーマンスを上げることが可能になるでしょう。
 広告宣伝に関しては大手のような上品なイメージ広告は必要ありません。むしろ具体的でベタなお困りごとの解決を協調したものの方が印象に残ります。中小零細企業は、対象とする商圏内で「○○と言えば□□(会社名)」と覚えてもらえたら成功だからです。
 社員が一丸となりゲーム感覚で色々とアイデアを出し合い、試して行くなかからノウハウを構築することはお金もあまり掛からず、やりがいもあるものと思われます。

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