日高税務会計事務所

環境整備が会社を発展させる!?

23.08.16 | 所長メルマガ

最近ニュ-スで話題となっている大手中古自動車販売会社で、環境整備の活動一環により店舗周辺の街路樹等の伐採、除草剤散布などが問題視されていました。一般に環境整備に力を入れると業績が良くなると言われています。何が問題だったか考えてみましょう。

環境整備とは労働環境を整えることで事故や作業ミスの減少、作業効率の向上を目的とします。単なる掃除のことではなく、整理・整頓・清潔を徹底することにより、今まで見えていなかった無駄や不合理なことにも気づき安くなります。また、作業環境が良くなることで社員のモチベーションも以前より上がることでしょう。一体感も高まり、自主的な改善提案なども生まれやすくなるかもしれません。
 儲かっていない会社や倒産寸前の会社は、大抵、現場が汚く不用品や不良在庫等が多いものです。だから、再建の第一段階では、いるものと要らないものを分けさせ、いらないものを処分し、その後、効率化を目指します。製造部門では比較的目に付きやすいのですが、間接部門や事務所等で零細企業では手つかずなことが多いです。書類や資料がどこに保管されているかハッキリしなかったり、いつまで保存すれば良いか不明であり、新しいものを先に処分されてしまったりするなど混乱が多いです。
 スポーツで例えると環境整備は基礎体力の強化のようなものです。これが出来ていないと上位に上がることは難しいでしょう。その上で自分の強みを活かした技の取得・強化を目指します。ビジネスでも本業の商品・サービスが二流以下だとお客様に選んでもらえません。ここが本当の勝負処だからです。
 世の中には、勘違いされて「大手の店舗や事務所に行ってみたけれどウチの会社の方が掃除が徹底していた。大したことない」などと自慢する社長さんがいます。しかしながら、お客様は、環境整備の徹底など関心はないのです。それより商品サービスが自分の欲求に答えてくれるかどうかだけです。これはアマチュアが趣味やスポーツのプロと同じブランドの道具を使い自己満足するようなもので、もっと本質的な重要事項にスキルアップすることが大切なのです。
 環境整備は目に付きやすい事柄が多いので、評価基準に使われやすい。しかし間違うとパワハラのツールとしても活用出来ます。例えば、周辺のすき間のゴミが取り除かれていないなど些細な点にケチを付け相手を攻撃するなどです。基本的に環境整備は全員で取り組むべきものだから、個人の責任にしてはなりません。そして、チーム等でお互いレベルアップを図るのが望ましいでしょう。
 トイレ掃除をすれば儲かる、あるいはお金が貯まると信じ、行動する方もいますが、トイレ掃除は精神修養(こころの鍛錬)に最適だから、昔から行われています。別にご利益あるわけではないでしょう。しかしながら、不浄は(見たくない)ものに目を向け真剣に対処する行動は、社会や人間関係の様々な問題から目を背けずに対応する力を養います。だから、機会があれば挑戦してみましょう。
 トイレ掃除に関して「素手で」掃除するのが正しいと言う人がたまにいます。これはトイレ掃除の会などでは長時間かけ、最初は消毒液や洗剤を使い、ブラシ等で徹底し汚れを取り除きます。完璧に汚れが落ち、水洗いの後雑巾で拭き取ります。この時点で便器を素手で触って感触を確かめたりすることもあるとのこと。人間の指のセンサーは微妙な状態も感知できます。こうした流れを理解せず、中途半端に掃除を素手を用いてやらせるならば完全にパワハラです。
 環境整備は直接利益を生むものではありません。しかしながら、高収益企業は特に言われなくても環境整備に気を配っているところは多い。だが、環境整備の達成レベルで優劣を判断できない。

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