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カニバリゼーション(共食い、自社競合)!…優良企業こそ積極的なカニバリ戦略を!

23.10.09 | ビジネス【経営】

カニバリゼーション(以下カニバリと呼びます)は、新しい製品やサービスが自社の既存の製品やサービスの売上を減少させる現象を指します。これは、新製品が既存製品の市場シェアや顧客ベースを「食いつぶす」形で起こることが多いです。

「共食い」との理解が分かり易いでしょう。

 

カニバリは悪なのか?

 

一社独占でビジネスを行ってはいないので、他社が必ず競合する製品やサービスをぶつけてきます。他社に取られるなら自社同士で競争させようとする、意図的なカニバリ戦略が通常行われています。

 

以下、1.ビジネスモデルとしてのカニバリ戦略と2.製品やサービスに関するカニバリ戦略を紹介します。

1.ビジネスモデルのカニバリは、新しいビジネスモデルが企業の既存のビジネスモデルの売上や利益を圧迫する現象を指します。以下は、このカニバリに関する著名な事例をいくつか挙げます。

 

Apple(iPodとiPhone)

AppleはiPodで音楽プレーヤー市場をリードしていましたが、2007年にiPhoneを導入したことで、iPodの売上は自然と減少しました。しかし、この動きはAppleにとって賢明であり、スマートフォン市場でのリーダーシップを獲得し、結果的には総収益の向上に寄与しました。

 

Netflix(DVD郵送サービスからストリーミングへ)

NetflixはもともとDVDの郵送レンタルサービスとしてスタートしましたが、時代の流れとともにストリーミングサービスへシフトしました。この変更により、DVD郵送サービスの売上は減少しましたが、ストリーミングサービスの成功により、企業全体の成長と価値の向上が実現されました。

 

Kodak(フィルムからデジタルカメラへ)

Kodakはかつてフィルムカメラの時代において巨大な市場シェアを持っていました。Kodak自体がデジタルカメラの技術を初めて開発したものの、フィルムビジネスへの影響を恐れてデジタル技術の導入を躊躇した結果、他の競合企業に先を越される形となりました。この事例は、カニバリを過度に恐れることのリスクを示しています。

 

Amazon(書籍販売からKindleへ)

Amazonは、もともとはオンラインの書籍販売からスタートしましたが、Kindleの電子書籍リーダーを導入することで、紙の書籍の売上が影響を受ける可能性がありました。しかし、電子書籍市場の成長とKindleの成功により、Amazon全体の収益は向上しました。

 

これらの事例は、カニバリが必ずしもネガティブな結果をもたらすわけではないこと、そして新しいビジネスモデルや技術の導入は、長期的な成長や競争力の維持に不可欠であることを示しています。

 

2.製品やサービスのカニバリは、新製品や新サービスの導入により、企業の既存の製品やサービスの売上や利益が圧迫される現象を指します。以下に、このカニバリに関する事例をいくつか挙げます。

 

 CanonとNikon(デジタル一眼レフとミラーレスカメラ)

デジタル一眼レフカメラの市場をリードしていたCanonやNikonは、ミラーレスカメラの市場の拡大に対して遅れをとりました。

ミラーレスカメラの導入が一眼レフの売上を圧迫するとの懸念があったためです。しかし、他のメーカーに市場を奪われるリスクも生じました。

 

Microsoft(WindowsとSurface)

MicrosoftがSurfaceタブレットをリリースした際、PCメーカーからの抗議がありました。Surfaceの成功が、Windowsを搭載する他のPCメーカーの製品の売上を圧迫する可能性があったためです。

 

Coca-Cola(Coke ZeroとDiet Coke)

Coca-ColaがCoke Zeroを市場に導入した際、Diet Cokeの消費者がCoke Zeroに移行するのではないかとの懸念がありました。しかし、Coke Zeroは異なるターゲット層に訴求する製品として位置づけられ、両製品が共存する形となりました。

 

これらの事例を通じて、新製品やサービスの導入によるカニバリのリスクは避けられないものの、市場のニーズや競争状況を正確に理解し、適切な戦略を採用することで、カニバリをポジティブな成果に変えることが可能であることが示されています。

 

貴社はカニバリ発想を持てていますか?優良な企業ほど、カニバリを恐れて時代から取り残されています。イノベーションのジレンマです。

 

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