うっかりでも要注意! サロン経営でやってはいけないNG行為
23.10.31 | 業種別【美容業】
ヘアサロンを経営するなかで、美容師が守らなくてはならないのが『美容師法』です。
美容師法にはさまざまな規定があり、これまで当たり前に行なっていた行為が、実は法令に違反するものだったというケースも少なくありません。
もし、美容師法に違反すると、業務停止命令や美容師免許の剥奪など、重いペナルティを受けることになります。
また、美容師法以外にも、美容室を経営するうえで知らなければならないさまざまなルールがあります。
美容室の経営者であれば特に把握しておきたいNG行為を紹介します。
施術を行う際に注意しておきたいこと
カットやパーマ、カラーなどの美容行為を行えるのは、美容師免許を持つ美容師に限られています。
したがって、もし美容室やヘアサロンなどで、美容師免許を持たない無資格者に美容行為をさせた場合は違法となり、店の管理者が美容師法違反で逮捕される可能性もあります。
店によっては、シャンプーやブロー、マッサージなどを無資格者のアシスタントに任せているケースもありますが、これらも美容行為に含まれるため、通常は無資格者ではなく、美容師免許を持つ者が行わなければいけません。
施術の際にお客に触れることができるのは免許保有者に限られており、無資格者のアシスタントが行えるのは予約対応や受付業務、洗濯や掃除などになります。
ただし、美容師免許を取得していれば、アシスタントでもお客の身体に直接触れる業務を行うことは可能です。
美容師が施術を行ううえで特に気をつけたいのは、カラー剤やパーマ液の取り扱いです。
カラー剤を塗布してから加温機で熱を加える美容室もありますが、カラー剤は常温で使用するように作られており、メーカーでも加温による使用は推奨していません。
加温することで作用の効果が高まるといわれていますが、お客の髪や頭皮にダメージが生じる可能性もあるため、カラー剤は原則常温で使用するようにしましょう。
同様の理由で、異なるカラー剤やパーマ液を混ぜて使ったり、ヘア専用のカラー剤を眉カラーに流用したりすることも、トラブルの元になるので注意が必要です。
気をつけたい衛生管理と店内のBGM
美容師法では、常時2名以上の美容師を雇用する場合は、管理美容師を置くように定めています。
管理美容師とは美容室の衛生管理を行う責任者のことで、資格を取得するには、美容師歴3年以上の経験があり、都道府県知事の指定した講習会を修了する必要があります。
管理美容師の資格は、1人で経営している美容室・理容室のほとんどの経営者が、この資格を取得しているそうです。
美容室のオーナー自身が美容師で3年以上の経験があれば、1人で開業する場合でも、今後の事業拡大を見越して取得しておくとよいでしょう。
衛生管理は、美容室を経営するうえで徹底しなければいけないことの一つです。
たとえば近年は、カラーやパーマの最中などに飲み物やお菓子を提供する店も増えています。
しかし、髪の毛やホコリが舞いやすい美容室の店内では、飲み物の提供方法やタイミングに注意する必要があります。
髪の毛やホコリが入ってしまう可能性があるため、施術中はカップではなく、できるだけペットボトルで提供するようにしましょう。
カップで提供するのであれば、施術前のウェルカムドリンクや施術が終わった後のアフタードリンクとして、作業場から離れた待合所などでお客に飲んでもらうとよいでしょう。
また、無料のサービスとして提供する場合は問題ありませんが、ドリンクやお菓子を有料で販売する場合は、食品衛生法に基づく飲食店営業許可が必要になります。
お客にリラックスしてもらい、満足度を高めるため店内にBGMを流している店舗も多くあります。
ただし、みずから購入したCDを店内で許可なく流すのは著作権法違反になる可能性があります。
日本では、ほぼすべての音楽の著作権をJASRAC(日本音楽著作権協会)が管理しており、営業行為の一環として使用するためには、権利者であるJASRACの許諾を受け、著作権使用料を支払う必要があります。
もし、無断使用が発覚した場合は、JASRACから請求を受け、請求を無視し続けると民事調停や訴訟に発展する可能性もあります。
著作権使用料は店舗の面積で異なり、500㎡までの場合は、年間で6,000円(税抜)を支払います。
ちなみに、SpotifyやApple Musicといった音楽をストリーミング配信するサービスも、個人による非商用目的に限って利用許可されていることが多く、店舗で流すなどの商用利用は認められていません。
著作権使用料を払ってCDで音楽を流すか、あるいは、著作権処理がクリアになっている有線放送事業者のサービスを利用することをおすすめします。
美容室の経営には、美容師法以外にもさまざまな法律や決まり事が関係してきます。
知らず知らずのうちに破ってしまっていることがないように、必要なルールを理解しておきましょう。
※本記事の記載内容は、2023年11月現在の法令・情報等に基づいています。
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