日高税務会計事務所

何処に儲けがあるか解っていますか?

15.02.16 | 所長メルマガ

経営者ならば当然ですが、組織が大きくなると末端の社員やアルバイトなどには理解できていないところも多いでしょう。ところで、商品の利益率が一定のところは滅多になく、大抵ばらばらです。そうすると、例えば3万円の目標売上を達成するのに1万円の商品を3個販売した場合と 2千円の商品を15個販売した場合とでは儲けが異なります。当然、利益率が高い方が望ましい訳ですが、それが解っていないと 売り易い方を勧めることになります。また、お客様の希望に合う商品が複数ある場合、会社の儲けの少ない方を強く勧めたりもします。さらには、ライバル社との対抗上の低価格商品など、売れても儲けが ほとんど無いものもあります。だから、ある程度は、末端の人にも解ってもらっておくべきでしょう。

ところで、できる営業マンは簡単に値引きをしないと言われます。
売値10万円(仕入7万円)の商品を1割(1万円)の値引きの要望に、金額は10万円のままで、売値1万円(仕入5千円)の商品(消耗品)を付けることで納得してもらいます。 

  利益3万円-値引1万円=2万円 <  利益3万円ー消耗品の原価5千円=2万5千円の儲け

このようにお客様の満足と会社の利益との両方を考えることの出来る社員が望まれます。
 もちろん、会社の価格戦略も大切です。本体で儲けるのか、消耗品やオプションで儲けるのか。基本工事で儲けるのか、追加・補修工事あるいは点検で儲けるのか。何処に儲けの主体を置くかは経営者の手腕です。ファーストフード店でのセットメニュー、トッピング追加、ドリンク等の低価格品の売り込みなど身近な事例は数多くあります。この場合、合計金額をあげるのが目的です。ある飲食店で利益率の高いものから順にメニューに書いたらその通りに注文が増えたとか。これはやりすぎかもしれませんが・・・。  旬の食材のお勧め商品で、利益もあげるのも当たり前でしょう。家電量販店での高額品の年間保守契約を勧められることもあります。これも保険のようなもので利益が多いと考えられます。インターネットでの無料・低料金の案内などでは、顧客情報の収集や更なる高額な商品への誘導などの仕掛けが巧みです。大手上場企業が健康食品などの通販を行うのも利益率が良いからでしょう。サンプルから定期購買にもって行かせようと工夫してあります。
 いずれにせよ、何処で稼ぐか、そのためそこにお客様を誘導する仕組みがあるか、そのためのコストは回収出来るか。稼ぐのは競合他社と同じ土俵か、すこし違うところか、あるいは全くことなる場所か。よそが真似できないところでしっかり儲け、逆に相手の利益の出るところに原価すれすれ、あるいは原価割れ(費用と認識)で対応出来れば理想かもしれません。

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