日高税務会計事務所

今年の確定申告についての報告

15.03.16 | 所長メルマガ

あらかじめ断っておきますが、当事務所での結果です。所得税・贈与税の申告件数は最終で三百件を少し下回る件数です。内訳は 追加の納税額がある人45%程度、還付となる人40%、税額に変動がない人15%程度です。例年と比べると還付(税金を返せてもらえる)が多いようです。この傾向は続くと思います。還付が多い理由の一つとして、医療費控除を受ける人が多くなったことが上げられます。医療費の領収書を捨てずに集める習慣が定着してきたから?でしょうか。寄付金控除等のうち「ふるさと納税」は数人だけでした。小口を数市町村にされた人もいらっしゃいました。恩典もあるようですので今後は増加するものと思います。

住宅取得控除等は継続適用者がほとんどです。消費税増税の影響と思いますが、住宅を購入される人が減少したためか、新規の住宅控除の申請者はわずか1名でした。特定口座による株の売買では、以前は大幅の損失を出した方が目に付きましたが、今年は利益が出ていて損失の繰越控除を受ける方もあり、損失の場合も少額のようでした。上場企業が利益を上げ、株価に反映してきたためでしょう。ところで、上場株式の売買は証券会社等の「特定口座」で行い、「源泉徴収あり」を選択しておくと申告が簡単(不要)で、 申告が有利な場合にのみ確定申告に追加できます。土地建物等の売却(分離課税譲渡)は通年程度。買い替え・交換の特例適用など複雑なものは全く無し。ゴルフ会員権の売却損と他の所得との通算(昨年3月末まで)は数件あり。個人の事業は良いところも有るが平均すれば、現状維持が多く、収入減少のところもあり。個人事業の多くは消費税の処理で税込経理が多いため、名目上の収入は上がるかと思っていたが、予想は外れました。消費税の納税額は、中間納付があったしても、その中間納税額は前年を基準として計算されているため、追加の納税額が前年の倍のところもありました。特殊なものでは、高齢の創業者等役員が会社に多額の運転資金を貸し付け(会社から見ると役員借入金)を基礎控除の110万円を少し超えたところでの贈与が数件有りました。平成27年度より相続税が改正となり、実質増税となりました。そのため、暦年贈与(毎年少しずつ贈与を続けること)を上手に活用するのが、妙な節税法よりリスクが少なく確実でしょう。   以上のような結果と感想です。

  ここで確定申告がスムーズに進むためのポイントを幾つか挙げておきます。
◇医療費の領収書は、控除対象額に達するかどうかに関係なく年初から保存しておくこと。交通費のメモ等も有効ですので忘れないように。これを家族全員で習慣づける
◇控除証明書など届いた時点で保存すること。年末近くが多いのですが、年払いなどで早い時期に来るもののあります。また、12月~2月初旬には重要な書類等が多く送付されますので必ず目を通し確定 申告に必要と思われるものは保存しておくこと。源泉徴収票・支払調書・特定口座の計算書など
◇保険の満期や解約の計算書(支払調書)、配当金の支払報告書、退職時の源泉徴収表も保存しておく
◇マイホームを含め土地建物を購入した場合の契約書・領収書等は永久保存、相続で所有者が変わった場合は必ず引き継がせること。売却時に これが見つからず、5%の概算取得費で申告することも多いから
◇課税の繰り延べとなる「資産の買換えの特例」を使った場合の申告書は永久保存しておくこと。税務署でも特別に保存してあるので、将来、相続人等が売却するときに間違いないかチェックされます

TOPへ