日高税務会計事務所

経営上の有事・危機の 準備・対策はありますか!

15.07.13 | 所長メルマガ

「有事」は軍事用語だそうです。ここでは「平時」ではない状態だと考えてください。そう言うと次のように考える人が多い。・・・同業者他社が主力店の近くに出店した。より安い類似商品を販売始めた。値段は変わらないが品質が明らかに優れている製品を出した。今までコンスタントに売れていた主力商品がさっぱり売れなくなった。不況で消費者の財布のひもが堅くなった。

大口の顧客を失った。大口の債権回収が難しくなり資金繰りが悪化した。欠陥商品を出した。店舗や工場が災害にあって使えなくなった。原材料・経費の高騰で利益の確保が難しくなった。優秀な社員が退職した。人手不足で求人の応募が全くない。・・などなど 。大抵がマイナスの状況です。中小零細企業では、漠然と不安を感じていても、事前に具体的な対応策を用意しているところは少ないでしょう。日常業務が大変忙しく、実際に悪い状況に陥ってから対応すればよいと考えます。しかし、いざとなった時準備がないと、混乱し間違った対応を取ることが多いようです。だから、災害時を想定した避難訓練などが行われるのです。さらに間違った対応は事態を回復させるのに時間や手間が余計にかかることとなります。また、最悪の状況を想定しておかないと、損切りや撤退の機会を逃し事業が行き詰まることも有ります。
   ところで「危機」と言う言葉で後ろの「機」は 機会(チャンス)の事でもあると聞いたことがあります。急成長する時期も有事と言えます。振幅幅の小さい緩やかな変化が「平時」で、振幅幅の大きい時が「有事」と定義出来ます。長く続く企業は平時も有事も身の丈経営を継続するそうです(『創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』グロービス経営大学院著、東洋経済新報社、1600円+税、第3章)。
 もし成長できる時期に準備が出来ていないと十分な成長が出来ないことなります。また、慌てて対策を立てても後手に周り、成果が出る前に成長期が終わってしまい投資が損失となる場合もあります。「幸運の女神は前髪しかない」と言う西洋の言葉がありますが、中小零細企業では数少ないチャンスを活かさないとなかなか大きくなれないものです。当然ですが成長期にイチかバチか社運かけれ勝負するのは得策ではなく、本業を基本としてしっかりと稼ぎ、急成長が終わる前に平時体制に戻る準備をしておく。つまり、環境の変化に身を任せるのではなく、環境の変化を読みながら最大限自分に活かす。上手な川下りやサーフィンの様な生き方です。「備えあれば憂いなし」と言いますが、無策では 攻めるも守るも一歩遅れ 危険にさらされることになります。しかし、過信は禁物です。想定外ことは起こるものです。だから、最悪の状況を想定し、対策を講じていること。その他の想定外は無理をしないでリスクが最小となるように対応する(凌ぐ・諦める)のがよいのでは。この部分については意見が色々分かれると思います

TOPへ