税理士法人SKC

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国外転出時課税

15.09.24 | 事務所情報

皆さん、こんにちは。元国税調査官の税理士、古閑です。
税務調査最盛期を迎え、相当数の調査対応に追われているこの頃です。
この時期の税務調査は、重要な案件(税務署にとって)が多いので要注意ですね。

さて、今回は平成27年度税制改正の一部をご紹介します

「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」(以下「国外転出時課税」といいます。)が創設されました。

平成27年7月1日以降に、国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます。)をする一定の居住者が、1億円以上の有価証券等(以下「対象資産」といいます。)を所有等している場合には、その対象資産の含み益に所得税(復興特別所得税を含みます。)が課税されることとなりました。


国外転出時課税の対象者

国外転出時において、⑴及び⑵のいずれにも該当する居住者が、国外転出時課税の対象者となります。

⑴ 所有している対象資産の価額の合計が1億円以上であること。

⑵ 原則として国外転出をする日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有していること。


対象資産

有価証券(株式、投資信託等)、匿名組合契約の出資の持分、未決済の信用取引・発行日取引・デリバティブ取引が国外転出時課税の対象資産となります。


また、平成27年7月1日以降、贈与者(原則として、上記国外転出時課税の対象者と同じで「国外転出をする日前」を「贈与の日前」と読み替えてください。)が、国外に居住する親族等への対象資産の全部又は一部(以下「贈与対象資産」といいます。)の贈与を行う時は、贈与者が贈与時において、贈与対象資産を譲渡等したものとみなし、贈与対象資産の含み益に所得税が課税されることとなりました。


相続等においても同様に、国外に居住する相続人等が、被相続人(原則として、上記の国外転出時課税の対象者と同じで「国外転出するに前」を「相続開始日前」と読み替えてください。)から、相続又は遺贈により、対象資産の全部又は一部(以下「相続対象資産」といいます。)を取得するときも、被相続人から相続開始時に相続対象資産を譲渡等したものとみなし、相続対象資産の含み益に所得税が課税されることとなりました。


それぞれ対象となる方は、所得税の確定申告等の手続きが必要となりますので、ご注意ください。なお、本制度には、納税の猶予制度や各種減額措置が盛り込まれておりますので詳細は、担当までお尋ねいただきますようお願いいたします

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