税理士法人SKC

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大連市訪問雑感

16.02.25 | 堺俊治の独り言的情報

  先月の末に、北九州市大連交流協会の主催で、4日間大連市を訪問しました。BtoBの商談会とデパートでのBtoCのマーケティングのための試飲・試食会を実施するとともに、昨年から友好関係を締結した大連の諸団体との年度方針を相互確認する為です。総勢15名での訪問でした。

   1月末の大連市は厳寒です。一日中零下ですが、夕刻からは零下10度以下です。我々も防寒は充分に対策していますので、外気の中でも10分から15分くらいは大丈夫です。それ以上永くは外気に触れていませんので、それから先は体感出来ず判りません。今回は外気の汚れも余り感じませんでした。

   さて、中国の景気ですが、確かにペースは遅くなったかもしれませんが、訪問するたびに新たな開発が進んでいます。今回驚いたのは、沿岸地区に4~5キロにわたって開発されているベニスの街の再現でした。ハウステンボスを彷彿とさせるベニスをテーマにした商業地区でした。空港から市内に入る途中の街並みも、昨年までは残っていたくたびれた古い家屋の集積地が、一掃されていました。そこには大連市周辺地区から続々と人民が流入しています。大連市は800万人を超える大都市ですが、ますます大都市としての威容が感じられました。これからも一大消費地であることは間違いないようです。

   それから、確実に大きく変化しているのが、食とサービスの質です。今回初めてといっていいくらい食事を美味しいと感じました(もちろん全ての食事ではないです)。有機栽培の野菜(程度は不明ですが)を出されました。またお客をお客として扱う姿勢も感じるようになりました。これらは、恐らく一般の中国人が多く来日していることで変化が起きてきているのだと思います。これから中国人民の民度は確実に上がってくると思われます。

   私どもの北九州市大連交流協会が、発足したのは「尖閣列島問題」が起きる前でした。北九州市と大連市の友好都市交流が、官と官が中心の交流になっているので、民間同士の経済・文化の交流を推進するために発足した協会です。当初は協会の訪問団は大歓迎されました。大連人民政府が全面的にバックアップして大連の民間企業に協力させましょう、というような状態でスタートしました。しかし「尖閣列島問題」や元大連市長の「薄熙来」の事件等で全く大連市の協力が得られなくなり、経済・文化の交流が進展しませんでした。しかし今回は一転して諸団体が友好ムードで大連市人大常務委員会(人民代表大会常務委員会)からまで大歓迎していただきました。明らかに今年になって、人民政府の日本に対する姿勢が変わってきたようです。

   また、習首相の、役人の腐敗一掃の方針はかなり浸透しています。その結果若い官僚が、役人としての将来に期待を失くして、役人を辞めて起業を始めているそうです。

   日本に今までのように爆買いに来るような中国人は、今後は増えないかもしれませんが、政策的には内需へ向かうでしょうから、日本への旅行の影響で、品質は上がり民度と共にサービスは向上しそうです。間違いなく、今もこれからも日本製品への信頼は厚いものがあります。これからは日本の製品・商品のより大きな消費地として事業計画のテーマになっていくことだと思います。

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