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トランプ氏が大統領になると・・・

16.03.23 | 堺俊治の独り言的情報

米国大統領予備選でトランプ氏が、指名に向けて連勝中です。そんな中、トランプ氏の大統領就任を不安視するコメントがマスコミを通じて多く聞かれます。特に共和党の主流派がトランプ氏を引きずり降ろそうとしているようです。

 トランプ氏が共和党の指名争いのトップを走る一方で、民主党はサンダース候補が善戦しています。もしも、トランプ氏対サンダース氏の大統領選挙になったとしたら、米国の貧困層の支持を集めた二人の争いという様相になります。そうなると、過激な右派と先進な左派の対決となり、とても興味深い戦いになりそうに思います。

 トランプ候補は、どんな団体や組織からも資金援助を受けないで、すべて自己資金で選挙運動を進めているそうです。サンダース候補の選挙運動資金は、市民の小口の寄付によって賄っているそうです。すなわちこの二人は、既成のどんな団体や組織も選挙地盤にしていないだけでなく、団体や組織からの資金援助に頼らないことで、どんな団体や組織からも大きな影響は受けないということになります。政治的圧力団体との利害関係がまるで無いようです。恐らく、この二人が大統領になって最も困る勢力は、既得権益を守りたい団体や組織ではないでしょうか。共和党や民主党の主流派を支えている既成勢力や、これまで議会に大きな影響力を維持して来た圧力団体などでしょう。

 あれだけ改革を期待されたオバマ大統領も、議会の既得権益の代表の勢力の前に、殆どの改革法案が廃案とされてしまいました。これだけ銃による死傷者が出ていても、ライフル協会の圧力で銃規制法案は廃案になるし、また軍需産業の影響力の大きさは多く人達がよく知るところです。

 だから、どんな大統領が就任しようと、議会の勢力が変わらない限り、米国が大きく変わることはないといえます。しかし、トランプ氏やサンダース氏なら、現在の米国政治に大きな影響力を持つ既成勢力を一旦は切ってしまえそうな気がします。しかし本当にそれがやれそうだと、今トランプ氏が最も恐れていることが暗殺されることだというように、J.F.ケネディ大統領のように暗殺されるかもしれません。日本でも安倍総理がもっとも戦っている相手は既成勢力、すなわち既得権益者ではないでしょうか。変革を最も好まない勢力です。少なくとも、米国では経済格差が大きく広がってるだけでなく、貧困層の増大の結果、貧困層が政治を動かすほど大きな勢力になりつつあるということのようです。

 日本で「保育園落ちた日本死ね!」のツィートが保育難民の主婦達の声を集めて、待機児童対策予算を動かしたように、米国もロックフェラーに代表される富裕層(既得権益者)の顔色を見る政治から、大きく変化していく前触れではないでしょうか。

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