税理士法人SKC

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コンプライアンスの重要さ

16.05.24 | 堺俊治の独り言的情報


三菱自動車のデータ偽装、東芝の不正経理、遡ると食品表示違反、くい打ち工事データ改ざんに耐震ゴムのデータ偽装等など、経営トップが関わっていると思われるものから、業務の現場での不正や違法行為がこのところ続いています。

隣国の偽装や不正、コピーの氾濫にあきれていたはずの我国でも、次々に企業の不祥事が発生し、これらは氷山の一角ではないかと思われるくらいです。そしてついに大物政治家の不祥事が騒がれるに至っています。それにしても我が郷土から、何のゆかりも無い東京の都知事に当選した舛添先輩(高校の一学年先輩です)ですが、報道を聴けば聴くほど、あまりにも姑息ですねぇ。年収は3,000万円を超えて(印税収入など、都知事の給与だけではないでしょうから)いるんでしょうからねぇ。政治資金としての支持者からの寄付や、税金からの助成金を私的に流用すれば、私腹を肥やすために法を破っていると言われてしようがないでしょうね。家族との飲食や旅行費などに使っていたとしたら、公私混同もいいところですが、それにしても金額が姑息です。ところで、この舛添都知事の報道を聴きながら、実は耳が痛い経営者の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。脱税目的の経理操作はべつとして、税務調査において、交際費や会議費あるいは福利厚生費として支出した経費勘定の内から、経営者の私的支出として調査官から指摘を受け、経費として否認されることがあります。何でもかんでも領収書さえあれば経費に出来ると勘違いしている経営者の方がいたりします。舛添都知事の今回の不祥事は、何でもかんでも領収書さえあれば政治活動として処理できるとでも考えたように思えます。ご自分がこれまでとうとうと述べてきたコンプライアンスの大切さは、どこへ忘れてきたのかと問いかけたいものです。
 コンプライアンスという言葉の意味は、ルール・約束事・規約・法令を順守するという意味ですが、データ偽装、食品表示偽装によって三菱自動車やかつては雪印のような大企業が破たんするほどの不祥事が発生する毎に、コンプライアンスの重要性が注目されてきました。コンプライアンスの重要性は、そのような経営破たんを未然に防ぐための対応として意義です。顧客は、より健康志向に、より誠実でピュアのものへ向かっています。その社会的要請に応えることが企業経営にとって重要な課題だとすれば、違法行為・不正行為などの不祥事は、その企業にとって取り返しのつかない致命傷となります。コンプライアンスは法令順守ということですが、単に法令を守るということではなく、「組織内のルールや諸規定」や「社会の良識・常識などの社会規範」の順守としてコンプライアンスを捉えることが、真の意味で「企業活動における誠実性」として評価されることに繋がります。だからこそ、トップが公私混同したり、私腹を肥やすことばかり奔走していると、某都知事や某会社のように内部から告発される時代です。少し耳が痛いと感じている経営者の方、部下もあなたにならって、出張旅費をごまかしてばかりかもしれません。気を付けましょう。

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