日高税務会計事務所

比べてみるとよく分かる!

16.08.22 | 所長メルマガ

先日、白内障の手術を受けました。悪かった右目は術後、以前と違ってハッキリと見えるようになりました。そうなると以前は普通だろうと感じていた左目も、医者の言うとおり実は良くないと認識でき、来月予定の手術が待ち遠しいくらいです。比べてみて良さ、あるいは悪さが分かることは誰でも経験があるはずです。今月は比べること(比較)について考えてみましょう。

比較にも「ダメな(好ましくない)比較」と「良い(好ましい)比較」があります。
《ダメな比較の例》 ①自分と同等あるいは似た状況のものとの比較・・・・あまり差が無いものとの比較に一喜一憂しても大きな意味は無い ②自分より明らかに悪いものとの比較・・・・あちらよりまだましだと自己満足に陥る ③自分と遙かに違いすぎる良いものとの比較・・・・自信喪失となる、もしくはあちらは別格だから仕方ないと開き直る ④自分の過去の成果の質・量との比較・・・・伸びていて当たり前。単なる自己満足 ⑤一人前とかプロとして通用するなどの入口レベルとの比較・・・・スタート時点では良いが、通過点であり、達成出来た時点で努力を緩める人もいる
《良い比較の例》 ①対象とする分野で、自分の目標・手本となる今の自分より良いものとの比較・・・・成長につながる ②自分の過去の成果の成長率や進歩のスピード変化率の比較・・・・努力がより厳しくなる ③自分の立てた計画との比較・・・・進捗が分かり対策が打ちやすい ④自分が描く理想・最高の状態との比較・・・・他人から押し付けられたものでは無いので、差が大きくても落ち込まない
 次にそもそも比べることが間違っている(無意味な)ことを上げてみましょう
①自分の力や努力ではどうしようも無いこと(天命・環境など)を比べること・・・・悪ければ運や環境を恨むことに成ります。全てを受け入れましょう(感謝!) ②自己満足のための比較・・・・自分が精神的優位に立つように相手の悪いところと比較するなど、物さしを都合の良いように用いる。大抵は人間関係を悪くします。自信喪失の時のみ有効
 ある精神世界の書物で「神は自分の素晴らしさを確かめるために、この宇宙や人間を造った」とありました。比較対象が存在しないならば良いも悪いもわかりません。しかし、自分以外の相手が多数ある世界で、楽をしたいために成長や努力することを好まず、現状を肯定あるいは合理化するために、敢えて比べないことは望ましいことではないでしょう。「人間は生まれながら誰でもオンリーワンだから人と比較しないのが正しい生き方である」は、ある一面では真実かもしれませんが全てではないはずです。上手に比べることで、個人でも組織でも真実の状況を知り、より成長発展させることができるからです。
 経営分析では次の比較が良く用いられます。①時系列での比較・・・月次・前期との比較 ②財務比率の比較 ③同業者との比較・・・業界平均あるいはライバルとの比較 これに加えて ④計画・予算との比較も大事です。 ③は同族零細企業では難しい。④はそもそも年度数値計画自体立てていない会社が多いです

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