税理士法人SKC

税理士法人SKC

フィンテックで何が変わるか?

16.08.25 | 堺俊治の独り言的情報

 8月23日に北九州市と(株)マネーフォワード、北九州銀行、みずほ銀行の3社とが「フィンテック」の普及促進に向けた協定を結んだという発表がありました。(株)マネーフォワードはクラウド会計ソフトの開発企業です。クラウド会計ソフトにフィンテックの機能があるのですが、企業が導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。

 1か月以上前に、マネーフォワード社の辻社長がわが社を訪問してくれてまして、3時間ほど会談し、その後の酒宴で懇親を一層深めることになりましたが、そこでの話の中で深めたのは懇親だけでなく、フィンテックやクラウドソフトの可能性についても、随分と理解が深まりました。その際に北九州市、北九州商工会議所、それに北九州銀行を入れてフィンテックの普及のための協定の準備をしているとの話もありました。この協定の目的は「市内の企業にクラウド会計ソフトを導入して業務の効率化を図ることで地域経済の活性化につなげる」ことのようです。

 どのようにして地域の活性化につながるかはさておき、クラウド会計ソフトを導入してフィンテックを利用すると、なぜ企業の業務効率化につながるのかについてと、フィンテックの普及促進に、なぜ銀行が協力するのかについて考えてみましょう。

 フィンテック(FinTech)とは、Financial(金融)と Technology(技術)を合わせた造語です。フィンテックを利用するということは、銀行での決済など取引データをネットで帳簿に取り込んで自動的に会計データとして仕分けまでしてしまうソフトを運用することです。フィンテックに限って言えば、銀行とのネットバンキングを通して通帳のデータを自動的に会計データに取り込むことが出来るわけですから、銀行取引のデータを入力する手間が省けます。日々の取引が銀行を通して行われることが多い企業は、かなり入力時間の短縮になります。クラウド会計の導入によって、この銀行とのフィンテックだけでなく、売上管理、仕入管理、給与等の日々の取引データも自動的に会計データとして取り込むことで企業の経理・会計業務を効率化・省力化しようということなのです。

 では銀行にとってのフィンテック利用は何をもたらすかというと、フィンテックによって企業とネットで繋がることで、今後はネットを利用した融資の判断や、ネットからの決算書の開示などで企業へのサポート体制の強化と効率化が図れるということでしょうか。

 それから、北九州市が普及促進するからには、導入に際して何らかの支援措置が設けられるのではないでしょうか。興味がおありであれば、助成金などの措置が設けられるかもしれませんので、気を付けておいてください。

 今後は当社もマネーフォワード社とは協力体制をとっていきますので、何かあればどうぞお気楽にご相談ください。

TOPへ