セブンイレブンに排除命令~値引き制限「不当」
09.07.11 | ニュース六法
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は、6月22日に、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出しました。
本部との契約を打ち切られると事実上経営が成り立たなくなる加盟店は、本部からの要請に従わざるを得ない実態がある、と公取委は判断したものです。
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は、6月22日に、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出しました。
本部との契約を打ち切られると事実上経営が成り立たなくなる加盟店は、本部からの要請に従わざるを得ない実態がある、と公取委は判断したものです。
このニュースは、フランチャイズ契約を結んだ加盟店に対して、販売期限の近い弁当やおにぎりを値引き販売する「見切り販売」を不当に制限していたセブンイレブン本部に対して、公正取引委員会が、不当制限の中止と再発防止を求める「排除措置命令」を出したというものです。
根拠法 独占禁止法第19条(不公正な取引方法第14項〔優越的地位の濫用〕第4号に該当)規定違反であり、同法第20条第1項の規定に基づき、排除措置命令がなされたものでした。(新聞などでは一般的に「乱用」という文字が使用されているが、法令での表現は「濫用」です。)
影響 違反行為の他のコンビニ本部でも、加盟店に値引きを制限しているケースが多いと聞こえるなかのこの処分は、今後、コンビニにおいても値引き販売が広がる可能性が出るかもしれません。
同じ食品販売分野でも、スーパーなどでは、閉店ぎりぎりに行くと、値引き商品がたくさんあります。2割引きから5割引きまであり、それを狙った主婦が、その時間帯になると現われてきます。当然に顧客は喜ぶし、店側も、そのまま売れ残って廃棄するよりは現金化できるのですから、顧客・店舗・地球環境の「3方よし」です。
しかし、なぜか、コンビニは違っていました。賞味期限が近付いている商品でも値引きをしているケースは見たことがありません。というよりも、一定の時期が来ると、値引きせずに引き揚げ、売ってくれません。もったいないと思うのですが、どうも、コンビニ本部からの指示だとは思っていましたが、実際そうであったことが、今回の指摘で明確になりました。というよりも、値引き販売によって廃棄経費を削減して利益を増やしたい加盟店側に対して、本部側が「見切り販売をしたら契約解除をする」と強力な圧力をかけて、これを阻止していた実態も明らかになりました。
フランチャイズ契約について
本来は、フランチャイザー(FC本部)とフランチャイジー(加盟店)は、対等な関係でなければなりません。したがって、商品の値下げをするかどうかの判断も、本来は加盟店が自由に決めていいはずです。少なくとも、値下げをしてはならないとは契約書に記載がなかったとの報道もあり、本部からはこの点での強制力がないはずです。それにもかかわらず、値下げをする加盟店に対して、本部が契約解除を予告したり、警告文を送りつけてきたりしたそうで、まさにこの点が優越的地位の濫用とされたものです。
FC業界での、本部の優越的地位の濫用は、他にもあると、ささやかれています。以下はその一例ですが、今後、これらの点も、さらに議論となるかもしれません。
(1)24時間営業の強制
(2)本部推奨の取引先以外からの仕入れ禁止
(3)押し込み商品供給(クリスマスケーキ、おもちゃ、くじ引き等)
(4)真夏のおでん販売・・・・
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