大阪プライム法律事務所

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結婚詐欺「アカ詐欺」にご注意を!

09.04.12 | ニュース六法

「世の中には三種類の詐欺師がいる。人を騙し金銭を持ち上げるシロサギ、異性を餌とし人の心をもて遊ぶアカサギ。そしてシロサギとアカサギだけを餌とする史上最強の詐欺師がいる。詐欺師を騙す詐欺師。その名前はクロサギ。」

これは、2006年にTBSが放映していたドラマ『クロサギ』の冒頭ナレーションです。詐欺師をだます詐欺師「クロ詐欺」を描いたコミックをドラマ化したもので、11話からなる詐欺のオンパレード話です。その後映画化もされました。(Photo by (c)Tomo.Yu )  

このナレーションでいう三種の詐欺師(シロサギ・アカサギ・クロサギ)は、詐欺業界(?)での隠語です。プロをだますのが「クロサギ」、素人をだますのが「シロサギ」。そして「アカサギ」は、異性を餌とし人の心をもて遊ぶ結婚詐欺のことを指すと言われています。語源はよく分かりませんが、女=赤という意味からとか、赤い舌から出ているなどとも聞いたことはあります。ちなみに、「アオサギ」というのもあって、会社や不動産関係の書類偽造などを行う詐欺を指すようです。

結婚詐欺の話は・・

「世の中には三種類の詐欺師がいる。人を騙し金銭を持ち上げるシロサギ、異性を餌とし人の心をもて遊ぶアカサギ。そしてシロサギとアカサギだけを餌とする史上最強の詐欺師がいる。詐欺師を騙す詐欺師。その名前はクロサギ。」 これは、2006年にTBSが放映していたドラマ『クロサギ』の冒頭ナレーションです。詐欺師をだます詐欺師「クロ詐欺」を描いたコミックをドラマ化したもので、11話からなる詐欺のオンパレード話です。その後映画化もされました。 (Photo by (c)Tomo.Yu )

 

このナレーションでいう三種の詐欺師(シロサギ・アカサギ・クロサギ)は、詐欺業界(?)での隠語です。プロをだますのが「クロサギ」、素人をだますのが「シロサギ」。そして「アカサギ」は、異性を餌とし人の心をもて遊ぶ結婚詐欺のことを指すと言われています。語源はよく分かりませんが、女=赤という意味からとか、赤い舌から出ているなどとも聞いたことはあります。ちなみに、「アオサギ」というのもあって、会社や不動産関係の書類偽造などを行う詐欺を指すようです。

結婚詐欺の話は、ときどき各地で報道され、多くは医師や実業家、パイロットなどを語っては金を巻き上げています。今年に入っても、43歳の元力士が、インターネットの結婚相談サイトで知り合った女性会社員に1級建築士と偽って結婚を約束し、730万円をだまし取った疑いで、この1月に警視庁に逮捕されるという事件もありました。中国でも、本年4月初めに、知り合ってわずか2週間、エイプリルフールに求婚し、清明節(日本のお盆のような日)に結婚披露宴を開き、さんざん食べて姿を消した結婚詐欺師が、中国各紙で大きく報道されました。この問題は世界共通のものなのでしょう。 

結婚詐欺は、結婚の約束をして女性(逆もあるが)を信用させ、恋愛感情をうまく操りながら、故意に相手から金品を詐取することをいいますが、単に金品を奪うだけではなく、精神面を著しく踏みにじる行為で絶対に許せる犯罪ではありません。最初から結婚するつもりも無いのに、騙して金銭を奪うわけですから詐欺罪ではありますが、刑事事件として立件するのがなかなか困難なのも実情です。

特に金銭授受の証拠になるような領収書などが無いケースが意外に多くあります。結婚約束をするほど相手を信用している場合に、借用書や領収証などの交付を求めることが無いからです。「私が信用できないのですか」という顔をされたら、結婚を考える立場からは引いてしまうことが多いからでしょう。また、仮に領収書を渡していたとしても、後日、「お金を借りただけ」と言われてしまえば、借りた当事は返すつもりであって、騙す意図は無かったという理由で、詐欺であることへの弁明になるからです。より巧妙な相手ならば、むしろ借用書を持参する場合もあるくらいです。
被害を防ぐには、十分に気を付けよという以外には難しいのですが、いくら親しくなっても、お金を渡すこと自体が不自然だと思うべきなのでしょう。ただ、どうしてもという場合は、領収書や銀行振り込み控えなどは必ず保存しておく必要はあります。また、当然ですが、相手の氏名・生年月日・住所などは、免許証などの公的証明書で確認しておくことも必要でしょう。また、付き合いの際の状況などを日記などを付けていれば、それ自体がかなりの証拠能力を持つことになります。


結婚詐欺ということで相談を受けることが、ときどきありますが、相談の内容を聞くと、むしろ「婚約破棄」と考えた方がいいようなケースが多いのも実情です。「婚約破棄」とは、結婚する意志を持って付き合っていたのに、何らかの事情で一方的に結婚をやめることです。お金を渡していたようなケースでも、「結婚詐欺」と「婚約破棄」との区分が不明確です。ここでは、相手方に「結婚する意志があったかのかどうか」がポイントになります。ただ、内心の立証は非常に難しいため、「結婚する予定でいた」と言われてしまえば、結局、結婚するつもりがあったが破棄した(婚約破棄)に行きついてしまうのです。ただ、常習的に複数の相手から金品を取っていた場合は、結婚詐欺性としてはっきりなるでしょうが。

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