大阪プライム法律事務所

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「横綱」の化粧まわしは「大麻」で作られている?

09.02.11 | ニュース六法

ロシア人力士の露鵬・白露山、若ノ鵬の大麻騒動が生じたのも記憶に新しいところですが、この1月に今度は日本人力士の若麒麟が、乾燥大麻を所持していたとして逮捕されました。日本相撲協会は、この大麻問題で大荒れの状態です。早く正常化してほしいと思います。ただ、角界を揺るがす大麻は、実は一方で相撲とは深く長い関係があるのをご存じでしょうか。大相撲の「横綱」の化粧まわしは「大麻」で作られているのです。

(Photo by (c)Tomo.Yu )

ロシア人力士の露鵬・白露山、若ノ鵬の大麻騒動が生じたのも記憶に新しいところですが、この1月に今度は日本人力士の若麒麟が、乾燥大麻を所持していたとして逮捕されました。日本相撲協会は、この大麻問題で大荒れの状態です。早く正常化してほしいと思います。ただ、角界を揺るがす大麻は、実は一方で相撲とは深く長い関係があるのをご存じでしょうか。大相撲の「横綱」の化粧まわしは「大麻」で作られているのです。(Photo by (c)Tomo.Yu )

 

日常生活と大麻草 大麻とは、実は「麻」(ヘンプ)のことです。麻の茎や種は日本人にとっては、縄文の昔から私生活にとけ込んでいました。その繊維から作り出される丈夫な服・ひも・縄などは日常生活で使われています。また、麻の種は七味唐辛子などに入れられ、鳥の餌などにも入っています。日本の弓の弦も大麻製です。神社でいただく神札は「大麻札」と呼ばれ、伊勢神宮内宮でいただく神札には「天照大神神宮大麻」と書かれています。神社のしめ縄や賽銭箱の前の鈴の紐も大麻で作られています。山伏の修験道で焚かれる「護摩」も、もともとは大麻だったようです。このように、日本の宗教では大麻は純粋なもので悪霊や邪念を寄せ付けないものと信じられていたようです。このように、古来から「大麻」は神聖なものとして扱われていたためか、大相撲の最高位である「横綱」のまわしも「大麻」の繊維で作られているのです。

 

大麻所持の禁止 現在の日本で、大麻の所持は大麻取締法によって厳しく規制されています。これは、日本では大麻を麻薬として意識して使用して来なかったのに対して、戦後、米国支配の際に、乾燥大麻を麻薬として禁止されたことに始まったものなのです。それ以来、大麻草は、所持したり栽培することは、大麻取締法で固く禁じられています。ただ、陶酔作用を引き起こすテトラヒドロカンナビノール (THC) は、麻の葉及び花冠に含まれるため、麻の繊維など成熟した茎やその製品(樹脂を除く)は、日常生活においての必需品でもあって、規制対象から外されているわけです。

 

大麻使用罪はない また、意外に知られていない点ですが、大麻草の「吸引行為」自体は、大麻取締法では直接の違反行為にはなっていません。エッ!と思われる方があるかもしれませんが、「大麻所持」(大麻草を持っていること)は罪なりますが、「大麻使用罪」というのは無いのです。この点は、覚せい剤が使用そのものを犯罪として取り締まっているのと大きく異なっています。これはなぜだか分かるでしょうか。古来から大麻は広く自生し、農家においても栽培されていたことから、農家の方が大麻成分を受動摂取する事例が多くあるために、こういたケースを処罰することがないように配慮したからなのです。

 

大麻草の種子 また、大麻取締法の規制対象からは、大麻草の種子及びその製品は除かれています。その理由は簡単で、どこの家庭にもある七味唐辛子などの調味料や鳥の餌などで、大麻種子(発芽はしませんが)があるからなのです。この網をくぐって、ネット上などで大麻種子を「観賞用」などとして販売していますが、発芽して栽培すると直ちに違法となって検挙されます。昨年、大学生などが種を買って室内で栽培していて逮捕された事例が相次ぎましたが、こういったことをしないよう、くれぐれも注意をしてください。

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