大阪プライム法律事務所

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司法修習生に対する給費制維持を!

10.06.11 | 企業の法制度

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司法試験に合格した法律家(裁判官、検察官、弁護士)の卵である司法修習生への給与が2010年11月から打ち切られます。このようなことでは、市民にとっていかに有為な者であっても、経済的な理由で法曹への道を断念する者が多く出てきかねません。金持ちの子弟しか裁判官、検事、弁護士になれないような社会であっていいのでしょうか。それで本当に弱者のための救済活動を行う弁護士が育つのでしょうか。・・・(イラストもしくは「続きを読む」をクリックして本文をお読みください)
 

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司法試験に合格した法律家(裁判官、検察官、弁護士)の卵である司法修習生への給与が2010年11月から打ち切られます。このようなことでは、市民にとっていかに有為な者であっても、経済的な理由で法曹への道を断念する者が多く出てきかねません。金持ちの子弟しか裁判官、検事、弁護士になれないような社会であっていいのでしょうか。それで本当に弱者のための救済活動を行う弁護士が育つのでしょうか。

 

私ち日弁連は、貸与制導入の見直しと給費制の維持を求め、現在必死で運動をしています。

司法修習生は、法律家として働きはじめる前に、1年間の司法修習を受けなければなりません。修習は平日フルタイムで行われ、司法修習生のアルバイトは禁止されます。したがって収入はありません。このために、これまで司法修習生全員に対して、給与が支払われてきました(これを給費制と言います)。これが、今年の11月から必要な者に対し生活資金を貸し付ける制度(貸与制)に切り替わります。これは2004年の裁判所法「改正」によって給費制廃止・貸与制導入が決められ、その施行期日が2010年11月1日とされているためです。

現状でも司法修習生の半数に「借金」があります。日弁連が2009年11月、司法修習入所予定者(新63期)を対象に実施したアンケート結果によれば、回答者1528名中807名(52.81%)が法科大学院で奨学金を利用したと回答し、そのうち具体的な金額を回答した783名の利用者が貸与を受けた額は、最高で合計1200万円、平均で318万円に上りました。修習費用の貸与制が導入されれば、これに約300万円の債務が上乗せされることになります。

経済課題で法律家を目指す人が減っています。試験・就職等のリスクや経済的負担の大きさが敬遠されて、法律家を目指す人が減っています。法科大学院適性試験の志願者数について、2003年と2009年を比較すると、大学入試センターでは4分の1、日弁連法務研究財団では半分以下と、大きく減っています。また、法科大学院への社会人入学者の割合は、5割弱(2004年)から3割弱(2008年)へと減少しています。

貸与制導入の見直しを

2004年の裁判所法「改正」に際し、衆参法務委員会附帯決議は、「経済的事情から法曹への道を断念する事態を招くことのないよう」関係機関が十分に協議をすることを求めていました。多くの修習生が多額の借金を負担していること、法律家を目指す人が減少していることなど、当時は予想していなかったことが、現実に起こってきています。これらの問題について、関係機関が十分に協議するために、貸与制の導入を見直すことが必要です。

給費制の維持を

裁判官・検察官・弁護士は、対立する立場から互いをチェックし、裁判が適正に行われるようにします。裁判においては、多くの人の権利が絡み合う問題を解決しなければならないからです。単に私利や感情を満足させるのではなく、権利を守り正義を実現しなければなりません。法律家は「権利の守り手」です。給費制によって、すべての法律家の資格は国民の負担において与えられたもの、となります。法律家の仕事の公共性・公益性ゆえに国民が法律家を育てるのであり、給費制は法律家に対し公共心と使命感を求める制度でもあります。

署名用紙(PDF形式・506kB)

署名用紙をダウンロードいただきまして、ぜひ、大阪弁護士会または日弁連宛に郵送いただきますようお願い申し上げます。
【送付先1】
大阪市北区西天満1-12-5 大阪弁護士会 06-6364-0251(案内テープ)

【送付先2】
東京都千代田区霞が関1-1-3 日本弁護士連合会 法制部法制第一課
 

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