大阪プライム法律事務所

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「歴史まちづくり法」が施行されました

09.01.14 | 企業の法制度

旧家の復元など歴史的な街並み整備を支援する「歴史まちづくり法」(正式名:地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律)が、平成20年11月4日施行になりました。この法律は、良好な環境(歴史的風致)を維持・向上させ後世に継承するために制定されたものです。

(Photo by (c)Tomo.Yu 和傘)

旧家の復元など歴史的な街並み整備を支援する「歴史まちづくり法」(正式名:地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律)が、平成20年11月4日施行になりました。

この法律は、良好な環境(歴史的風致)を維持・向上させ後世に継承するために制定されたものです。

(Photo by (c)Tomo.Yu 和傘)

日本のまちは、城や神社、仏閣などの歴史的な建物、そのまわりの町家、武家屋敷などのまちなみと、祭礼行事などの伝統を反映した活動といった地域の歴史的な風情が残されており、そこで人々の生活が営まれることにより、それぞれ地域固有の情緒、佇まいを醸し出しています。しかし地域によっては、市街地において歴史的な建造物が失われて空地になったり、歴史的なまちなみとは不釣り合いなマンション等が建築されたり、高齢化等により地域の祭礼行事が維持できなくなるなど、歴史的風致が失われている例も多く見られています。
このような状況が放置されることによって、日本が世界に誇る固有の伝統的文化の喪失、郷土意識や地域の活力の低下といった、我が国や地域にとって取り返しのつかない重大な損失を被るおそれがあります。

歴史まちづくり法は、こういった問題点を解消するために、市町村が城跡や古墳群などの文化財を中心とした周辺一帯の整備計画を作成し、国が認定すれば、歴史的建造物の修復・復元費用の補助や、電柱を地中化できる道路の範囲拡大などについて支援が受けられることにしたものです。

特徴 この法律は、伝統的な町並みや建造物というハードに加え、そこに息づく祭りや伝統工芸といったソフトも含めて地域固有の「歴史的風致」と位置付けるのが最大の特徴といえます。 

伝統的な景観の保全には、コミュニティーの再生や伝統行事の継承といったソフト面の取り組みも不可欠なだけに、この法律が有効に活用されて、失われゆく日本的まちなみが、そこの文化とともに引き継がれていくことを祈りたいものです。

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