大阪プライム法律事務所

大阪プライム法律事務所

振り込め詐欺被害金が返ります

08.07.15 | 企業の法制度

振り込め詐欺でだまし取られた被害金を、返還する手続きを定めた「振り込め詐欺被害者救済法」が6月21日に施行されました。被害者は従来のように裁判に訴える必要はなく、負担軽減が期待されていますが、やや問題もあります。

振り込め詐欺でだまし取られた被害金を、返還する手続きを定めた「振り込め詐欺被害者救済法」が6月21日に施行されました。被害者は従来のように裁判に訴える必要はなく、負担軽減が期待されていますが、やや問題もあります。

 

新法の正式名称は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」で、略称で「振り込め詐欺被害者救済法」といいます。これまで、被害金を取り戻すためには犯罪グループなどを相手に裁判をする必要がありましたが、犯人の特定が難しく裁判での解決は困難でした。新制度では訴訟手続きが不要になったため、大きな前進と評価でき、これによって被害者救済が本格的に開始されたといえます。正確な数字はよく分かりませんが、少なくとも10万を超える口座に滞留している60億円以上が被害者に返還される見込みとも聞きます。新たに発生した被害も返還対象となります。
 
問題点もあります

対象口座はインターネットで公表するそうですが、ネットに不慣れな高齢者にとっては大変です。

 

実際に被害にあった時の手続
①振り込め詐欺の被害にあったと気がついた時は、直ちに警察や振り込んだ銀行などに連絡し、振り込んだ先の預金口座の利用停止を求めることが第一歩です。②犯罪に使われたことが分かった場合は、金融機関から預金保険機構へ公告要求が出されます。③預金保険機構は 「預金等に係る債権の消滅手続」として、インターネットで被害金を返還する犯罪口座の番号や名義人などを、60日以上の期間をおいた失権のための公告を行います。④公告に対して、預金の名義人が申し立てをしない場合は、その預金の名義人の権利が失権し、被害者への被害金が分配されます。⑤被害者は、一定の申し出期間内に、被害証明資料を付けて分配金の申請をし、調査が行われた後に支払がなされます。なお、犯罪利用口座の残高が1,000円未満の場合は、支払手続の対象とはなりません。

この法律で、実際に返還の請求(被害回復分配金の申請)は、正式には2008年10月頃より受付が始まる予定のようで、返金ができるようになるのは、今のところ、早くとも2008年12月頃以降となる見込みとのことです。

詳しくは
当事務所ホームページのニュース六法を参照ください。

TOPへ