大阪プライム法律事務所

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裁判員体験ゲーム 大阪弁護士会がHPで無料公開

12.05.13 | 企業の法制度

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大阪弁護士会が、裁判員裁判を疑似体験できるゲームソフトを独自に制作、この5月にホームページ上で公開しました。ゲーム名は「スイートホーム炎上事件」。大阪弁護士会のサイトは、左欄にあるリンク集よりどうぞ。

日本で初めて、弁護士が100%シナリオを手掛けた本格裁判ゲームです。裁判に関するゲームは、映画にもなった「逆転裁判」などいくつかありますが、全てのシナリオを弁護士が手がけたものはこれが初めてですし、弁護士会プロデュースのゲームとしても全国初です。無料でパソコンにダウンロードして楽しめるようになっています。内容をご紹介いたします。
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■ゲーム名は「スイートホーム炎上事件」
ストーリーは、会社経営者(26歳)の自宅が放火され、経営者の車椅子の妻(26歳)が死亡したとの設定で、被害者夫婦と同級生だった若者が被告人として起訴されたという設定。若者は自分はやっていないと無罪を主張。検察官は、被告人と経営者の間に仕事上のトラブルがあったことを動機として主張し、一方、弁護人は、被告人には火を付ける機会など無かったと主張。有罪か無罪か。プレイヤーが裁判員になって考えてもらうというものです。

裁判の流れや評議のやり方などは、ゲーム性を損ねない範囲でできるだけ実際の裁判と同様になっています。
■このゲームの大きな特徴の一つは、実際の裁判同様、正解がないということでしょうか。ゲーム中での評議の進め方によって、有罪か無罪かの結論が変化します。事実は一つでも証拠の見方によって結論が変わるという、裁判自体の本質や考え方を学ぶことができます。
また、市販のゲームと違う大きな特徴として、ゲームを通じて、正確な法知識や裁判の手続きを伝えている点があげれると思います。冒頭に、裁判長が、事実認定は証拠に基づくという「証拠裁判主義」の原則を解説してゲームはスタートしています。今まで法律や弁護士に興味のなかった人たちにも、このゲームがきっかけになって興味を持って頂ければ素晴らしいと思います。

■大阪弁護士会の法教育委員会では、高等学校を中心に、小学校や中学校に対する出張授業や、模擬裁判,中学生対象のジュニアロースクールや高校生模擬裁判選手権など活発な活動で人気を博しています。その背景のもとで、2010年度から、法教育委員会の若手委員である飯田幸子弁護士の発案を受けて、同委員会を中心として開発に乗り出しました。飯田弁護士は、以前から趣味でこういったゲーム制作をしていたことから、「弁護士会でも裁判員についてのゲームを作ってみたい」と提案し始まったものでした。

シナリオは、もともと模擬裁判で使用していたものをもとに、法教育委員会委員の弁護士がゲーム用にシナリオを作成し、それをもとに外部のクリエーターに委託して作成されています。完成度はかなりのもので、ゲームそれ自体も、非常に楽しめるものになっています。ぜひ、一度試してみてください。

■余談ですが、当事務所の三木は、発案当時に法教育委員会を担当する大阪弁護士会副会長でしたので、飯田弁護士からの開発企画を大阪弁護士会全体のプロジェクトに引き上げるべく、役員室をはじめ、ホームページを管轄する広報室や、疑念を示す刑事関係委員会等の理解の根回しに尽くしましたので、今回の完成は、陰ながら大変に嬉しく思っています。
■以下(YOMIURI ONLINE 2012年4月11日)からの引用
~公判で被告は「やっていません」と容疑を否認。検察側は冒頭陳述で〈1〉被告と経営者には仕事上のトラブルがあった〈2〉被告が居酒屋でもらったライターが、現場に隣接する木立に落ちていた――として被告の犯行を主張。この冒頭陳述も、より実像に近づけるため検察官経験を持つ弁護士が作成した。
証人尋問からは、プレーヤーが自らの判断を反映させていく。「事件時、現場近くで被告を見た」と証言した証人に対し、「木立に被告は立ち入っていたか」など複数の選択肢から質問を選ぶ。証人の視力を尋ね、証言の信用性を探る専門的な問いも用意されている。さらに、被告人質問で証人尋問の内容を確認し、事件を見極めていく。この後の評議で裁判官や他の裁判員5人と話し合いを重ね、有罪か無罪かを導く。プレーヤーがどの質問や発言を選ぶかによって、1プレーごとに他の裁判員らの意見や判決の結論も変わる。判決言い渡しまでの所要時間は約2時間。~
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