大阪プライム法律事務所

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ブラック企業の見分け方と対処法(シンポ)

13.02.16 | 企業の法制度

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ブラック企業とは、入社を勧められない労働搾取企業のことを言います。「就職すべきでない企業」という文脈で使われています。
この2月28日に、大阪弁護士会主催で『ブラック企業の見分け方と対処法』というシンポジウムが開催されます。講師の今野晴貴さんは、2012年11月に、「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」(文春新書)という本を出して有名な方です。

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ブラック企業では、労働基準法をはじめ、労働者保護のための法令などは、およそ遵守しないか、違法ぎりぎりの条件で、従業員に暗に陽に労働を強要します。また、法令に抵触する可能性がある営業行為や従業員の健康面を無視した極端な長時間労働(サービス残業)を従業員に強いたりする、もしくはパワーハラスメントという暴力的強制を用いながら、非合理的な労働を強いる体質を持っています。

一言でいうと「ひどい働かせ方」をさせている企業のことです。『キツい!』、『安い!』、『追い込む!』会社とよく言われています。これは、単に営利企業だけではなく、各種非営利法人(学校法人、社会福祉法人、公営企業、医療機関、公益法人、NPOなど)などでもあります。アメリカでは「スウェットショップ(Sweatshop)」と呼び、中国では「血汗工廠」と呼んでいます。

学生たちは低賃金・過重労働などを理由に、悪質な企業を「ブラック企業」と呼び合い、情報を交換しながら警戒しています。ただ、あまり情報も多くない上に、以前ならば働きやすかった企業まで「ブラック化」しているとの話もあって、厄介なことです。

見分け方
ブラック企業であるかを見分ける方法は、通常、離職率・平均勤続年数・社員待遇であると言われています。離職率の高い企業や平均勤続年数の短い企業は、どんな大手・有名企業でもブラック企業として評価される一因となり得ます。ただ、これら数値はほとんど公開されておらず、たとえ情報が手に入っても、その実状を見抜くのはかなり難しいとも言われています。

大阪弁護士会シンポジウム『ブラック企業の見分け方と対処法』
■日 時:平成25年2月28日(木)開場18時 開演18時30分
■場 所:大阪弁護士会館2階ホール(大阪市北区西天満1-12-5)
■講 師:NPO法人ポッセ代表 今野晴貴
■報 告:寺西笑子、岩城穣、和田香
■参加費:無料
■申し込み:http://www.osakaben.or.jp/web/event/2013/130228.php 
■問い合わせ先:大阪弁護士会(電話06-6564-1227)
※無料一時保育サービス有り(要予約)

ブラック企業の特徴
以下のようなことが、ブラック企業内で行われていると言われています。
●激務で長時間労働・過重な責任
●薄給
●自腹での経費負担
●ノルマの強要と未達成時の苛烈ペナルティ
●身体的・精神的ストレスの毎日
●スキルアップ見込みなし(何年勤続しても業務スキルや専門的なノウハウがほとんど身に付かない)
●資格取得のノルマ化(社外では通用しない内容の社内資格の取得を強要される)
●忌引制度が有名無実
●強制的な借金や強制貯金
●退職できない(辞めたいと言っても許してくれない)
●自己都合退職を強制(実質的には解雇だが辞表提出を強要)
●退職後に会社から損害賠償を請求
●退職金支払いを回避するために懲戒解雇をでっち上げる
などなど・・

NHK番組「週刊深読み」より
ブラック企業のことについて、NHK番組「週刊深読み」の2012年12月1日放送「就活の落とし穴! "ブラック企業"にご用心」では、以下のような話が紹介されています。

【長労働時間の話】
夜の11時終電間際は当たり前、「もう疲れたから今日だけ帰してください」と言っても「あ、もう帰るんだ?仕事がこんなにあるのに」と言われて帰宅できない。これが毎日続くと、月に残業が100時間を超える場合まである。過労死は、この100時間くらい働くとリスクが高まる。
【休日拘束の話】
休日に暗記を事実上強制される。毎週のごとく週初めにテストが課せられて、暗記の出来によって処遇が変わる。したがって、休日は暗記に忙殺される。その結果、体を壊すだけでなく、うつとなって心のバランスを崩していき、場合によっては急死に至ることもある。
【騙される給与額の話】
初任給が20万円と言われて入社を決めたものの、契約書の中に「固定残業代」として、その20万に100時間分の残業代が組み込まれていた。そういったことは、そういったことは、社員募集の段階では表示がされておらず、契約の最終段階になっているから言われて、仕方なく署名した。


私ども法律事務所では、顧問先企業がこういったブラックとならないよう、日々指導しています。ただ、優良な企業でも、経営者が暴走し、経営目標を過剰に追求して、被雇用者に過激な要求を押し付けて働かせてしまう場合があり得ます。企業といえども、当然に、社会的組織として、労働者の人権を尊重する職場でなければなりません。

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