日高税務会計事務所

医療サービスに必要なコミュニケーション

14.03.09 | 業種別【歯科医業】

医療がサービスかどうかは、
長く議論がされている問題です。

これを考えてみるには、
まず、サービスとは何かを知る必要があります。

現代マーケティングの第一人者である
米国のフィリップ・コトラーはサービスを
「一方が他方に対して提供する行為やパフォーマンスで、
本質的に無形で何の所有権ももたらさないものをいう」と定義し、
その根本に顧客第一主義をすえています。

クリニック経営、次の一手

これはサービスとは片方が一方的に
提供するだけのものではなく、
サービスを受ける顧客がいて
始めて価値を生むものであることを意味しています。

医療においては、
患者がいて始めて成り立つものであることから、
この定義にあてはまることとなります。

また、一般的にいわれるサービスの特徴としては、
1.無形性、2.不可分性、3.消滅性、4.変動性が挙げられます。
医療はこれら4つの特徴を有しており、
この点からも医療はサービスだと考えられます。

医療をサービスとすると、
より良いサービスを実現するために必要となるのは、
コトラーがサービスの根本思想としてすえた
“顧客第一主義”の実現ということになります。

そのためには、顧客満足を生み出すための仕組みが必要であり、
その基盤となるのがコミュニケーションです。

閉鎖的に思われがちな医院でも、対患者、対スタッフ、
対外部と様々なコミュニケーションが行われています。
また、対面だけがコミュニケーションの媒体ではなく、
電話、書面、Webなど多様な媒体が増え続けています。

これらのコミュニケーションを
もう一度考え直してみることが、
医療というサービスを
完成に近づける第一歩といえるでしょう。


次回の「クリニック経営、次の一手」は、
「クレーム担当者の心構え」をお届けします。


[プロフィール]
長田 耕一(ながた・こういち)
フォーユーメディカル株式会社 取締役副社長
広域医療法人の元法務責任者としてクレーム対応を経験。その数は1,000件を超える。現在は、医院の第三者継承をマッチングする「クリニックM&A」事業にてM&Aアドバイザーとして年間20件以上の譲渡成立を支援するとともに、医師会や企業研修での講演、各種媒体でのコラム執筆などで活動中。共著に「医業承継の完全実務」(日本法令)。
http://www.4um.co.jp/
http://www.clinicma.com/

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