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こんな原因見たことない!所有権移転のいろいろな登記原因

23.11.16 | 司法書士法人C-first

皆様こんにちは、大阪事務所の司法書士 前田貴光です。
今回は所有権移転登記のいろいろな登記原因についてのお話です。
皆様に一番身近な登記原因は「売買」でしょうか。
「売買」以外にも、「相続」、「贈与」もよく知られた登記原因の一つだと思います。
その他には、「遺贈」、「交換」、「共有物分割」、「代物弁済」、「財産分与」、「時効取得」、「持分放棄」、「解除」、「買戻し」、「会社分割」、「現物出資」、「信託」、「遺産分割」・・・等、多くの登記原因があります。

最近私が相談を受けた登記原因に「民法第646条第2項による移転」というものがありました。

民法第646条
1.受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。
2.受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。

最初聞いた時には、何のことだかさっぱりでした。
司法書士になってからこんな登記原因に関わったこともありませんし、受験勉強をしていた頃のテキストに一応載ってはいましたが、参考問題は載っておらず、全く頭に残っていませんでした。
Googleで検索すると、
「例えば、自宅不動産を競売にかけられるような状況になったとき、親族や知人に登記名義人(受任者)になってもらい、登記名義人になるために金融機関から借入もしてらったような場合に、当該借入を委任者が返済し、返済が完了したときは登記名義を委任者に戻してもらうという方法があります。
委任者は状況的に新たな借入ができないため、受任者が金融機関に借入の申込をし、売買を登記原因として委任者から受任者への所有権移転登記を行い、受任者から委任者へ渡った売買代金は委任者の債権者への返済に充当されます。その後、金融機関に対する債務者は受任者ですが、委任者が支払っていくというものです。」
というようなことが載っており、条文を読んだ私の中のイメージとは違う内容でしたが、なかなか勉強になった相談事案です。


「民法第646条第2項による移転」と似たようなものに「委任の終了」という登記原因があります。
権利能力なき社団(法人化されていない町内会等)が町内会館を立てたときなどに、町内会名義では登記名義人となることができないため町内会長の個人名義(例 甲野太郎)で登記します。
この場合、肩書は登記できません。(「○○町内会長 甲野太郎」とは登記できない。)
この町内会館の登記記録においては、登記名義人は「甲野太郎」となるのです。
では、町内会長が変更された場合はどうするのでしょうか?
この場合に登記原因を「委任の終了」として所有権移転登記をするのです。
なお、自治会、町内会を法人化することもできます。(認可地縁団体)
この場合、町内会長個人名義で登記された町内会館については、認可地縁団体名義とする所有権移転登記をします。この場合の登記原因も「委任の終了」となります。



見たことがないような登記原因等でお困りごとがございましたら、お気軽に司法書士法人C-firstまでご相談ください。

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