社会保険労務士法人村松事務所

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「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

17.02.28 | ミニコラム

<昇進昇格不一致の原則>

昇格とは、成長等級が上がることを言います。昇進とは、現在の職位より
上位の職位に任命されることを言います。社員が300人位までは昇進と昇格
は完全に連動するものではあります。

例えば社員10人の企業を前提に説明します。10人になると経営者が1人で
すべての社員を直接指導することが難しくなり、誰かに自分の代わりにマネ
ジメントさせようと考えます。

このときの社員の成長階層を見ると、ほとんどが一般職層です。中堅職層の
社員は1人か2人でしょう。管理職層の社員はまだいません。

そして、その中堅職の社員の成長等級は4等級である確率は高いでしょう。
経営者は4等級の社員に最初の役職を与えることになりますが、この場合は
中堅職としての最初の役職名ですので、「主任」または「係長」、または
「グループリーダー」このような役職名になることになるでしょう。

組織内での役職名は、同時に対外的な活動のときにも使用されることになります。

名刺にはその役職名が書かれ、最初の役職者はライン職から出ることになります。
営業職・製造職・物流職・工事職、このような職種から役職者が任命されて、
名刺を持って最初に訪問したその相手の人に発言する内容は同じです。

「本日は社長の代わりに参りました」

この話を聞いた相手の方、例えば経営者はその名刺をまじまじと眺めながら決
まりきったような台詞を吐きます。

「社長の代わりに来ていただいたのは分かるが、役職が主任ではとても社長の
代わりとは言えない。申し訳ないが、やはり御社の社長に来ていただくように
お話しください」

概ね面談はそこで中断となります。

うなだれて帰ってきたその社員の報告を受けた社長は悩みます。確かに経営者の
代わりにお伺いしたことは間違いありません。権限もその通りに与えています。

でも相手の経営者からすれば、経営者の代わりに来た社員の役職者が主任では
到底納得できないでしょう。

社長と同じ権限を持っていると言われても、にわかに信じがたいというのが実情
でしょう。そこで経営者は考えてしまいます。

しかし、ひとつ方法があります。その主任という役職名を部長や課長に変えることです。
   
   = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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