社会保険労務士法人村松事務所

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「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

17.08.25 | ミニコラム

<守れた勤務態度が組織文化の原則>

経営者が創業してから1人、またひとりと社員が増えてきます。社員が1人経営者1人の時には何も問題がなくても、組織構成員が2人になるとなんらかの問題が生じてきます。
それは仕事をする上での考え方の違いです。

例えば経営者が新しく採用した社員が明るく元気に挨拶できないことに気がついたとします。その社員に対して、次のような指導をするでしょう。

「当社では明るく元気に挨拶をするのが当たり前になっています。いろいろ
個人的に大変な状況はあっても、朝一番の挨拶はもっと元気に明るく挨拶を
してほしい」

それに対して、その社員が次のように答えます。

「いや、前の会社では挨拶のことについて注意されたことはありません。
とにかく高い成果を上げれば、それだけで高い評価を得ることができました。
今まで気にしたことがありません」

もしこのような答えを聞いたら、経営者として伝えるはずです。

「そうですか。しかし高い成果を上げるためには重要業務を遂行することが必要
です。そして重要業務を遂行するためには、知識・技術を身につける必要もあり
ます。そして何よりも大切なことは、我社の社員である以上、仕事をする上で守
ってもらいたいことがあるということです。それをこれから守ってください。
明るく元気に挨拶することもその1つです」

仕事をする上で、今までは明るく挨拶することを全く指導されなかった社員が、
『この会社では明るく挨拶することが当たり前だ』と言われたら戸惑いがある
でしょう。

しかしその会社に在籍する以上、明るく元気に挨拶することが重要であることは
間違いありません。そこでその社員はその明るく挨拶することに挑戦し始めるこ
とになるのです。
 
誰しもが今までやってきたことと異なることに挑戦するときには戸惑いがあるで
しょう。しかし、挑戦さえすれば、少しずつ確実にできるようになってきます。
いつかこの社員も他の社員と全く変わらず、明るく元気に挨拶できる社員に育ち
あがるでしょう。

そればかりではありません。いつしかすべての社員が4点か5点だという状態に
なります。この状態になったときに経営者は1つの判断をすることになるでしょう。
 
成長シートの勤務態度から「明るく元気に挨拶する」という成長要素を削除する
ということです。成長シートになくてもすべての組織構成員が守れるという状態
になった、つまりその成長要素が企業文化になったからです。

企業文化になると、守れない社員が入ってきたとしても問題になりません。成長
シートに入っていなくても周りの社員がそのことを指摘して同じように守れるよ
うにしてあげようと努力することになるからです。

今組織文化となっているものも、すべて過去に同様のプロセスを経て、組織文化
となっています。すべての組織構成員が、同じように考え、同じように行動する
ことができるようにし、組織文化をさらに高めていくためにも、成長シートの勤
務態度は重要なものと言えます。


   = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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