社会保険労務士法人村松事務所

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「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

19.08.30 | ミニコラム

<ステップアップ基準は等間隔の原則>

職務等級のステップアップに必要な評価点数は、各等級ごとに同じ点数で
設計をしていきます。例えば、1等級20点でスタートした社員が2等級に
ステップアップするときの成長点数は40点です。2等級から3等級に成長
するときの点数も60点、それぞれ20点成長したときに上位の等級に昇格と
なります。

3等級から中堅職層最初の職務等級である4等級にステップアップするとき
の点数も、20点成長して80点に到達したときです。このように1等級から
2等級、2等級から3等級、3等級から4等級への昇格に必要な点数は同じ
に設計をしていきます。

通常、中堅職層である4等級に昇格するときには、一人前と褒められ、その
成長を大いに注目されます。逆に考えれば、1等級から2等級、2等級から
3等級への成長は組織の中であまり認識を持たれることはなく、あまり褒め
てもらうことがないのが現実でしょう。

しかし、冷静に考えれば中堅職層へのステップアップだけが成長ではありません。
一般職層の中で1等級から2等級、2等級から3等級へと、同じように成長し
ています。このことが、ステップアップ制度設計の段階で分かってきます。

これがわかり、今まで大いに成長した社員、優秀な社員しか褒めらなかった
組織から、あらゆる等級で少し成長したことも成長として認められるように
なれば、組織の中で褒められない社員は1人もいなくなります。

それぞれの成長の段階で成長したと認める。このことによって、全社員が組織
の中で自身の成長の可能性を感じることができます。自分の成長を感じること
ができれば、新たな成長の目標を設定することになるでしょう。

今まで「成長」というと、私たちの目は優秀な社員のみに向けられていました。
これからは、組織の中にいるすべての社員の成長の確認をし、認めてください。
それによって誰も意欲を落とす社員はいなくなります。

そしてそのためにも、ステップアップ基準を設計するときに必要な点数は、
どの等級においても同じ点数にしなければなりません。

過去において、経営者は様々な設計、等級の数に挑戦してきました。私のこれま
での経験則で申し上げると、今の段階では1つの職務階層(一般職層・中堅職層・
管理職層)それぞれの中に、3つの等級を設計するのが最も運用に適していると
結論が出ています。

職務等級の昇格に必要な点数は同じ点数にし、すべての社員が成長の確認ができ
るステップアップ基準、そしてステップアップ制度を構築していただきたいと思います。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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