社会保険労務士法人村松事務所

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書籍に書けない裏話をお話します。

19.09.25 | ミニコラム

<マネジメントは利他の心の原則>

一般職で仕事をする社員はプレーヤーです。プレーヤーとは自分で仕事を
して自分で成果を出すこと。自分で仕事をして、その向こうにいるお客様
に喜んでもらい、成長する階層と言えます。

自分で自分の成長を考え、勤務態度を守り、知識・技術を身に付け、そして
重要業務を遂行するようになったとき、初めて成果を上げられるようになって
きます。自分で取り組むことそのものが褒められる対象であり、自分で自分の
成長を目指し、取り組み、チャレンジする階層が一般職層と言えます。

この階層を卒業するころ、あることに注目をするようになります。それは、
自分の成長だけに関心を持つのではなく、他の社員にも関心を向けざるを得な
い成長基準があることです。

重要業務や知識・技術や勤務態度、いわゆる成果を上げるプロセスの評価要素
の評価基準には必ず 

◎ 5点「他の社員に教えている」
 
という文言が入っています。社員はこのことに少し驚きを隠せないかもしれません。

評価点数80点以上に挑戦するためには、自分でやることをやって褒めてもらう
ところから、他の社員に教えることに挑戦するところへ変わらなければならない
ことに早晩気が付きます。それに気が付いた社員は、徐々に他の社員へ教えること
に取り組むでしょう。

もちろん、上司ではなく「仲間」という立場のときに教えることに挑戦するのです。
教えたからといって、教えた相手が理解して実行するとは限りません。教えること
は単に話をするのとは違います。教えた相手が成長していかなければ、教えたこと
にはならないでしょう。

そうやって教えることに取り組み始めて80点以上の点数を取れたときに初めて、
社員は中堅職層にステップアップすることになります。中堅職層は、部下を成長
させるという仕事が付け加わる階層であることが分かっています。一般職層での
「教える」という挑戦は、大いに次の段階で役に立つでしょう。

一般職層での活躍は自分の利益、自利のためです。中堅職層は利他、部下の成長
のため、部下の成長によって上司としての喜びを得るために仕事をすることになります。
つまり、一般職層から中堅職層へステップアップしたことを境目にして、自利から
利他へと考え方が変わるのです。そのことに気が付くでしょう。

日本のマネジメントは、利他の心への挑戦とも言えます。部下の成長、いわゆる
他人の成長に取り組み、そのことが実は自分を大きく成長させることにいずれは
気づくでしょう。

この「教える」ということは部下の成長を担うこと、部下を幸せにすることです。
これが分かれば分かるほど、中堅職の成長は飛躍的なものになるでしょう。
そのことを経営者として教えていってください。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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