社会保険労務士法人村松事務所

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ミニコラム「組織原則が組織運営の問題を解決する」編 

19.12.03 | ミニコラム

<優秀社員の発表が共有化を速める原則>

評価点数も等級も、どちらもその社員がこの会社でどこまで成長したかを
確認するためのものです。そのため、評価点数や等級を一覧表にまとめて
社内で発表することはありません。

特に、従業員数が300人以上の規模になってこないと等級と役職名が必ずし
も一致しない現実があります。等級の発表が役職者に対する権威を失わせ
るきっかけにもなりかねません。そのため、社内での発表は勧めていない、
場合によっては反対という意向を示してきました。

そのお話とは逆に、社内に公表してもらいたいものがあります。それは、
この組織の中で重要業務と知識・技術、勤務態度の評価基準が4点と5点
の社員の名前です。

評価基準の4点は、重要業務であれば優れたやり方を持っている人、知識・
技術であれば、応用的なものを持っている人、勤務態度であれば、模範と
なる行動をしている人です。

そして評価基準の5点は、重要業務であれば、優れたやり方を他の社員に
教えている社員です。知識・技術であれば、応用的なものを他の社員に教
えている社員です。勤務態度であれば、模範となる態度を他の社員に教え
ている社員です。

これから成長しようとする社員が最初に悩むのが、誰に教えてもらったら
いいのかということです。それが分からなければ、自分で考えて学ぶしか
ない状況になってしまいます。

しかし4点の社員、5点の社員を一覧表にまとめて社内に公表することで、
これから学びたい、成長したい社員はその社員に教えてもらえばいいのだ
とわかります。教えてもらえることで、今までとは比べ物にならない程ス
ピーディーに成長していくでしょう。教えたい社員が組織の中にどんどん
生まれ、教える体制も整うでしょう。

優秀な社員が「私が教えます」と手を挙げるのは、日本人の気質にはあまり
合っていないと言わざるを得ません。ですから、会社としてあえて成長した
社員の名前を発表するのです。学びたい社員は今後は遠慮なく、分からなけ
ればすぐに優秀な社員に尋ねることになるでしょう。

組織の中には常に成長したい・教えてもらいたい社員がいます。一方で、教
えることによって更に成長したい社員がいます。この表を社内にオープンに
することによって、スピーディーにマッチングさせることができます。その
組織は当然ながら、教え合うことによって、雰囲気が良くなることでしょう。

そしてそれ以上に大事なことは、すべての社員がそれぞれの立場で成長する
ことです。初めてのことに挑戦していると言える初期の成長段階の社員は、
仲間の教える行動によって、学びを深めることができます。

一方で優秀な社員は、教えることによって二度学び、更なる成長を遂げていき
ます。それを推進するためにも、4点と5点の社員の名前は社内に発表してい
ただきたいと思います。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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