社会保険労務士法人村松事務所

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「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

20.02.04 | ミニコラム

<ステップアップは段階的である原則>

社員の成長は評価点数で確認することができます。入社した段階は20点、
それから1点1点と成長していって、40点……60点……80点……と成長する
ことになります。
20点ずつ加算されているように見えても、社員はそれぞれ一歩一歩、階段を
上るごとく成長をしています。一度に20点から60点に成長することはありません。
物事にはすべて順序があり、いっぺんに多くの成果を上げることはないのです。

もちろん、大きく成長したかのように思えるときがあります。それは成長の
プロセスではなく、結果だけを見た場合です。

プロセスがあって結果があります。当然ながらプロセスがまだ十分に成長して
いないのに、大きな結果を創出できることはありません。ところが、ありえな
いことが起きてしまうことがあります。

例えばビギナーズラックという言葉があります。経営者であれば、営業社員、
それも若い社員が営業活動に来た際、熱意に胸を打たれ、拙いトークであった
としてもつい契約書に判を押してしまうことがあります。

自社の社員もこんなふうに一生懸命に熱意を込めた活動をしてくれれば嬉しい、
という想いも当然ながら背景にあります。

この場合、その若い社員はプロセスがしっかりと遂行できるようになって、
成果を上げたのではありません。お客様の都合です。熱心だった、ということは
あったとしても、結果というのはこのように、プロセスとは関係なしに成果が上
がることがあるのです。

それを私たちは誤解をして大きな成果を上げたと錯覚してしまいます。「若いの
に大きな成果を上げられる」と思った経営者がやることは決まっています。飛び級です。

昇格とは次の等級にひとつひとつアップしていくことを言います。例えば20点で
入社した社員が40点まで20点成長すれば2等級、60点点数を取れば3等級と、
昇格とは1つひとつ階段を上るように上がっていくものです。ところがあまりに
も大きな成果を上げた若い社員を見ると、1等級から3等級に上げたいという思
いになったりします。

多くの経営者が実際に飛び級をさせた経験を持っているか、考えたことがあるこ
とでしょう。成果だけを取り出して考えれば、それは妥当性がある、きちんと証
明ができると言えるかもしれません。

ところがほとんどの場合、飛び級という方法は結果として成功した試しがありません。
それには2つ理由があります。

    = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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